池井戸潤「ルーズヴェルト・ゲーム」(講談社文庫)



 先週からテレビドラマが始まりましたが・・

 一足先に結末を知りたくて(^^)/





 過去20年、社会人野球をはじめとする企業スポーツは、

 リストラの一環で激減しました。


 新人の頃の私の職場にも、午前中のみ就業し、午後から練習を行う野球部の選手が

いました。また、プロジェクトに1名、引退した野球部員の方もいらっしゃいました。

 また、当時は職場ぐるみで、大阪から東京の代々木体育館へ応援にきていたことも

 ありましたが、当然いまは無く・・いま思えば、余裕のあった時代だったんだなあ、

と思います。


 小説の社会人野球部は、存続の危機の真っただ中。
 


 でも、経営者側も、ただ単に採算だけを考えていたわけではありませんでした。


「会社の数字には、ヒトの数字とモノの数字がある。

 仕入れ単価を抑えるといったモノの数字ならいくら減らしてもかまわん。

 だが、解雇を伴うヒトの数字を減らすのなら、

 経営者としての”イズム”がいる」



≪会社だけが儲かっても、社員が不幸であれば意味がない。

 社員まで幸せにして初めて、経営は成功したといえるのではないか≫

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池井戸潤「鉄の骨」(講談社文庫)





 建設業界、ゼネコンの内幕を垣間見たような気になる作品。

 読みながら、自然と、ゼネコンの総務室長になった友人の顔が思い浮かびました。




 談合は必要悪か否か。

 中の理屈は・・

「この業界ってのは、清濁併せのむってのが必要なのよ」

「正しいことばかりが正しいわけじゃない。・・」


 でも、外からみると、

「でもさ、世の中に大変じゃない仕事なんてないよ。

 みんな大変なんだろうなと思う。だけど、ちゃんとルールを守ってやってるじゃない。

 そういう真面目に働いている人たちから見ると、

 必要悪だって開き直ってる業界って、絶対許せないわけ」






談合のフィクサーの言葉・・

「いまが一番いい。
 
 そう思うことが大事なんだ。

 過去を懐かしむのは構わない。だが過去を羨んではいけない。決してな」


「人間であることを忘れたサラリーマンはつまらない部品になってしまう。

 部品から人間に戻れなくなった者にとって、人生はただ不毛な瓦礫だ。

 そしてそういう部品は往々にして腐る。

 ネジを想像してみるといい。

 巨大な鉄橋はネジという部品で支えれる。

 そのネジが腐ってしまったら、はたしてどうなるか。

 実は、この世の中で、規格通りの部品で在り続けることは意外に難しい。・・」

・・至極まっとうですが、実際のフィクサーはこう思ってはいないような(^-^;

池井戸潤「シャイロックの子供たち」(文春文庫)




 銀行にまつわる連作短編・・東京第一銀行長原支店を舞台とした10個の人情話

 と思っていたら、いつのまにやら一つの謎に収斂する見事なミステリー作品でした。




≪・・組織に対してなんの反感も持たず、ただ黙々と一生働けると思ったら大間違いだ。

 銀行という職場で長く働くには、自らの感情を律し、”感情”と”現状”のせめぎ合いを
 
 乗り越えて常に仕事に前向きであり続けなければならない。

 それは実に難しい。≫




 仕事のできない部下が、初めて見つけた重要顧客の正体がわかった時は、

 衝撃でした。

 ・・これ、あかん奴や(>_<)

池井戸潤「最終退行」(小学館文庫)



 何度も取りざたされるM資金ネタ・・

 この作品は、トレジャー・ハンターを出し抜く奇想天外な結末でした。




「組織の論理」・・

≪組織の論理を振りかざす奴にかぎって、

 自らはそのルールを軽視して好き放題をやっている。

 そして、その論理そのものが世の中の常識からかけ離れていることに気づかない。≫


 たとえば、銀行だと・・

≪実態を知らず、数字ありきの本部の論理。≫

≪エリート意識を全面に押しだし、取引先中小企業に支えられているのではなく

 俺たちが支えてやっているのだという驕り。≫





 ・・社内不倫してそれがばれていながら、なぜ妻も上司も、

 俺がこんなに頑張っていることを理解してくれないんだ、と不満をいう主人公の副支店長に

 まったく共感できないのでした(>_<)

池井戸潤「民王」(文春文庫)



 麻生さんと思しき総理大臣と息子の心が入れ替わる。

 荒唐無稽な設定で、これまで読んだ池井戸さんの作品とは異質。


 ギャグもできるというところなのかもしれませんが、

 う~む(T_T)、この手のノリの作品は、奥田英朗さんらに任せて、

 シリアスな企業小説を書いていただきたいですね~


 でも、

 閣僚の下ネタ系のスキャンダルを追いかけまわすマスコミや野党に向かって、

 入れ替わった息子が吐いた言葉、

 「オトナになろうぜ、みんな」

 には、同感です。

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