ロジェ・カイヨワ「遊びと人間」(講談社学術文庫)

訳 多田 道太郎、塚崎 幹夫





 ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』が解明した遊びの研究を受け継ぎ、

 遊びの体系系的な分類をした試み。


≪ホイジンガは、社会を整序する諸制度、その栄光に貢献する諸学問、

 それらの大部分の淵源を遊びの精神に求める。≫

 遊びの要素は、法律、政治における権力行使、美の領域、戦争においてさえ見いだせる。

≪人はそこに、文明の歩みそのものを辿りうる。

 なぜなら、文明とは、時には権利と義務の、

 時には特権と責任との均衡のとれた一貫した体系に依拠しつつ、

 粗雑な世界から管理された世界へと移行することにあるのだから。
 
 遊びは、こうした均衡を人々に思いつかせ、あるいは確認するのである。≫ 


 さらに言えば、

≪重要な文化現象はすべて遊びを真似て作られたものである。

 それらは、遊びが作り出し維持する探求の精神、規則の尊重、

 こだわらぬ態度に依存しているのだ。≫





 遊びの種類は無限である。

 しかし、不毛か生産的か、危険か健全かは問わず、

 遊びを支配する原則は、風土において常に一定である。

 遊びは、4つの基本的範疇、根本的動機に分かれる。

 ・競争
 
 ・運に身を任せること

 ・模擬あるいは表現

 ・眩暈と失神



≪すべての遊びは規則の体系である。


 規則は、何が遊びであり何が遊びでないか、すなわち、

 許されるものと禁じられるものとを決定する。

 この取りきめは恣意的であり、同時に強制的であり、決定的である。

 
 それは、いかなる口実があろうとも破られてはならない。

 もし破られるなら、遊びは即座に終わり、違犯という事実そのものによって破壊されてしまうのだ。


 なぜなら、遊ぼうという欲望、つまり遊びの規則を守ろうという意志によってだけ、

 規則は維持されているからである。≫



 でも、規則を持たない遊びも多い。

 人形ごっこ、兵隊ごっこ、汽車ごっこ・・などの虚構を楽しむもの。


 
 遊びを規定する特徴は、

 1.自由な

 2.隔離された

 3.未確定な

 4.非生産的な

 5.規則のある

 6.虚構の活動

 である。





<目次>
定義
分類
遊びの社会性 
遊びの堕落
遊びを出発点とする社会学のために
遊びの拡大理論
模擬と眩暈
競争と偶然
現代社会への再湧出
補論
(偶然の遊びの重要性
教育学から数学まで
遊びと聖なるもの)
参考資料
(昆虫における擬態
メキシコの「ヴォラドレス」における眩暈
オマキザルにおける破壊の喜び
スロット・マシーンの発展、それの生んだ熱狂
偶然の遊び、星占いと迷信
蟻の「麻薬」嗜好
成人儀礼のメカニズム
仮面による政治権力の行使 ほか)
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ホイジンガ「ホモ・ルーデンス」(中公文庫)

高橋 英夫 訳




≪遊びは文化よりも古い。≫

 動物は人間に教えられずとも遊んでいるし、人間の共同社会が成立する以前から遊びは存在した。


 ポトラッチ、クラ、交唱歌、悪口合戦、自慢競争、決闘・血腥い真剣勝負・・
 
≪競争や誇示ということは、慰み事、楽しみとして文化のなかから発達してくるのではない。
 
 むしろ文化に先んじているのである。≫

 そして、

 騎士的名誉、忠誠、勇気、自制心、義務意識という理想は、それらを養った文化に大きな貢献をしている。




≪遊びというものが現にあるということが、

 宇宙のなかでわれわれ人間が占めている位置の超論理的な性格を、

 絶えず幾度となく証明する理由になっているのであり、

 しかもこの場合、それが最高の意味での証明さえある、≫




≪遊びは、われわれの意識のなかでは、真面目の反対に当たっている。≫

 でも、遊びは、「真面目」ではないかもしれないかもしれないが、

 「本気」の反対ではない。遊びで、本気もありうるから。




≪すべての遊びは、まず第一に、何にもまして一つの自由な行動である。

 命令されてする遊び、そんなものはもう遊びではない。≫



≪遊びは「日常の」あるいは「本来の」生ではない。

 むしろ遊びはそれに固有の傾向によって、日常生活から、

 ある一時的な活動の領域へと踏み出してゆくものである。≫


 「ごっこ」や、ただ楽しみのためにするものである。


≪遊びはものを結びつけ、また解き放つのである。

 それはわれわれを虜にし、また呪縛する。

 それはわれわれを魅惑する。≫



≪遊びの領域のなかでは日常生活の掟や慣習はもはや何の効力ももっていない。

 われわれは「別の存在になっている」のだし、「別のやり方でやっている」のだ。≫



≪原始社会の遊びは、ちょうど子供が遊び、動物が戯れるのと同じなのである。

 その遊びは、初めから遊びに固有なもろもろの要素、

 すなわち秩序、緊張、運動、熱狂に充たされている。≫

 生そのものが、遊びそのものと結びつく。



 遊びと「真面目」とが結びつくのは、祭儀的なもの、祝祭である。

 祝祭時に、人々の前でくりひろげられる神聖な見せ物行事と、祝祭に伴って催される競技とである。

「文化は高貴な遊びというもののなかにその基礎がある」

「真の文化は何らかの遊びの内容をもたずには存続してゆくことができない。」




≪遊びとは、あるはっきり定められた時間、空間の範囲内で行われる自発的な行為

 もしくは活動である。

 それに自発的に受け入れた規則に従っている。

 その規則はいったん受け入れられた以上は絶対的拘束力をもっている。

 遊びの目的は行為そのもののなかにある。≫ 










ペーター・ブリューゲル―さかさまの世界を描いた画家 (名画の秘密をさぐる (2))

P・ステルクス 著

C・ルシャ イラスト

岡田 好惠 訳

岩崎書店

1993年刊



 ブリューゲルは、43歳でなくなっており、

 その墓碑銘には、ラテン語で「人生のなかばで死んだ」と記されている。



 ブリューゲルは逆立ちをしながら死んだ、という言い伝えがある。

 ブリューゲルは、ブリュッセルの町を逆さに見ようと、壁を背に逆立ちした。

 そして『やあ、いいながめだ』といったとたんに死んだ、といいます。




【ブリューゲル ポスター】子供の遊戯(600mm×838mm)

 91もの遊びが紹介されている『子供の遊戯』の中で、特に印象的なのは、罰ゲームです。

 さくの横に2列にすわっているのは「むちうちの刑」。

 ゲームに負けたふたりの子に、真ん中を歩かせて、ハンカチで叩く。

 
 右端の丸太の前には、男の子が5人の子供から髪の毛を引っ張られている。


 その手前には、みんなからよってたかって材木の上におとされてそうになっている。


 その隣の砂場では、左側の男の子は、ナイフを口にくわえている。

 理由は、ナイフを上手く地面につきさせなかったので、罰として口でナイフを拾いあげさせられたため。


利倉隆「ブリューゲルの宴」(イメージの森のなかへ)

二玄社

2009年刊






 ピーテル・ブリューゲル・・


≪若いころ、貿易でにぎわう大都市アントウェルペンで画家になりました。

 でもそのころ、彼の祖国はスペイン人に支配されていて、

 ほんとうの自由はなかったのです。

 宗教をめぐる対立も絶えません。

 そして大部分の農村はだんだん繁栄から取り残されてゆきました。


 ブリューゲルが生きた時代には、

 そんな厳しく複雑な背景がありました。≫



 

【送料無料】絵画:ピーテル・ブリューゲル「怠け者の天国」●サイズF20(72.7×60.6cm)●プレゼント・ギフト・風水にも人気な名画の絵画(油絵複製画)オーダーメイド制作◆無料で選べる額縁付き!◆:油彩画

 『怠け者の天国』・・

≪この絵には際限のない美食と怠け心をいましめる教訓がこめられています。

 でも人間にはこんな世界を夢見る気持がだれにもほんの少しはある。

 なんといってもこの時代、特に農村では、おいしいものを

 おなかいっぱい食べられることなどめったになかったのですから。≫




<目次>
遊びのカタログ
花婿はどこに
黒い鳥のいる冬景色
墜落したイカロスの謎
怠け者の天国
ジグソーパズル
天使たちと魔物たち
恐怖のフリートおばさん
ことわざの世界
諷刺画の表情


荻野アンナ「ブリューゲル、飛んだ」

新潮社

1991年刊




ジグソーパズル【31%割引】バベルの塔〔ブリューゲル〕 04-515

 ブリューゲルの北極は「バベルの塔」。

≪まわりに並んでいた風景や静物や、ネーデルランド特有の偏執狂的な筆致で描きこまれた

 花束が絵だというなら、あれは絵ではない。

 むき出しの知性そのものだ。

 人間の知性が行きつく果てに待ち受けているブラックホールが、

 塔のかたちをして聳えていた。≫




 ブリューゲルの南極は「
【送料無料】絵画:ピーテル・ブリューゲル「怠け者の天国」●サイズF10(53.0×45.5cm)●プレゼント・ギフト・風水にも人気な名画の絵画(油絵複製画)オーダーメイド制作◆無料で選べる額縁付き!◆:油彩画」。

≪男の一人は百姓、一人は兵士、もう一人は学者。

 一応この三人で人類を代表してもらおう。

 マグロ百姓は近景画面左方で見る者に背を向けている。・・

 中景、アザラシ兵士は四肢くねくねの全身脱臼で、正体もなく眠りこけている。

 画面近景右、トド学者は両腕を高々と頭の後ろで組み、

 両足投げ出して恥も外聞もない大股開き、こいつが一番ダラシがない。≫





<目次>
笑うボッシュ
ブリューゲル、飛んだ
ベティ・ブルーの世紀末ブルース

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