【楽天ブックスならいつでも送料無料】【お買いものパンダ ブックカバープレゼント】人間の土地改版 [ アントアーヌ・ド・サン・テグジュペリ ]
サン=テグジュペリ「人間の土地」(新潮文庫)

訳 堀口 大学

1955年刊




7.砂漠のまん中で


 前半は、僚友であるメルモスとギヨメの挑戦と、遭難からの帰還でしたが、

 後半は、サン=テグジュペリ自身の体験です。

 1935年、インドシナへの長距離飛行の途中、

 エジプトで、リビア砂漠の境に近い奥地に不時着します。

 『星の王子さま』のもとになったものです。


 サハラ砂漠よりも乾いたリビア砂漠での彷徨・・

 サハラ砂漠で40%の湿度があるのに、

 ここには18%の湿度しかない。


≪ぼくには、妻の目が見えている。

 ぼくにはこの目以外のものは何も見えない。

 その目は質問する。

 ぼくには、ともすればぼくに関心をもつかもしれないあらゆる人々の目が

 見えてくる。≫

 彼らは、

≪ぼくの沈黙を責める。

 ぼくは答えているよ!

 ぼくは答えているよ!

 ぼくは力のかぎり答えているよ、ぼくは、夜の中にこれ以上輝かしい炎を

 上げることはできないよ!≫

 ほとんど飲まずに60キロを歩いた。


≪待っていてくれる、あの数々の目が見えてくるたび、ぼくは火傷のような

 痛さを感じる。・・≫

≪我慢しろ・・・ぼくらが駆けつけてやる!

 ・・ぼくらのほうから駆けつけてやる!

 ぼくらこそが救援隊だ!≫



≪ぼくは、自分の職業の中で幸福だ。

 ぼくは、自分を、空港を耕す農夫だと思っている。・・


 ぼくには、何の後悔もない。

 ぼくは賭けた。ぼくは負けた。

 これはぼくの職業の当然の秩序だ。≫


 そして、通りかかったリビア遊牧民に助けられ、

 の奇跡の生還を果たします。




8.人間


 もし、アンデス山中に遭難したメルモスに対して、

≪あなたは間違った考え方をしている、

 商人たちの金儲けのための通信文なんか、生命を賭してまで、

 守り通す値打ちはなさそうだ、と言って注意してやったとしたら、

 メルモスはきみを一生に付したはずだ。

 アンデス山にかかったとき、彼の中に生まれた人間、

 それこそが彼の本然だったのだから。≫


≪たとえ、どんなにそれが小さかろうと、ぼくらが、自分たちの役割を認識

 したとき、はじめてぼくらは、幸福になりうる。・・

 なぜかというに、生命に意味を与えるものは、

 また死にも意味を与えるはずだから。≫



≪精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創られる。≫
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サン=テグジュペリ「人間の土地」(新潮文庫)

訳 堀口 大学

1955年刊



 もう10回以上は繰り返し手にとっていますが、

 今回のクロアチアにも持参した一冊。




≪ぼくら人間について、大地が、万巻の書より多くを教える。

 理由は、大地が人間に抵抗するがためだ。

 人間というものは、障害物に対して戦う場合に、はじめて実力を発揮するものなのだ。≫


 最初の夜間飛行の際に見た光景・・

≪それは、星かげのように、平野のそこここに、ともしびばからが輝く暗夜だった。


 あのともしびの一つ一つは、見わたすかぎり一面の闇の大海原の中にも、

 なお人間の心という奇蹟が存在することを示していた。≫



≪努めなければならないのは、自分を完成することだ。

 試みなければならないのは、山野のあいだに、ぽつりぽつりと光っている

 あのともしびたちと、心を通じあうことだ。≫


2.僚友

 メルモスのアンデスへの挑戦・・

≪メルモスは他の者のために<ためし>てみたわけだった。

 とうとうある日のこと、<ためし>つづけているうちに、

 彼は自分がアンデス山脈に捕われとなっているのに気がついた。≫

 四千メートルの高所にある絶壁に取り囲まれた盆地に不時着する。

 この危機から脱すると、日をおかずに、また出発した。

≪このようにメルモスは、砂漠を、山岳を、夜間を、海洋を、開発した。

 彼は一度ならず砂の中、山の中、海の中に落ち込んだ。

 しかも彼が帰ってくるのは、いつもきまってふたたびまた出発するがためだった。≫

≪最後に十二年間の勤務ののち、またしても南大西洋を飛行中、彼は

 (後部右発動機を止める)と、きわめて簡単な報告をよこした。

 ついで、そのあとには沈黙が届いた。≫



≪ある一つの職業の偉大さは、もしかすると、

 まず第一に、それが人と人を親和させる点にあるかもしれない。

 真の贅沢というものは、ただ一つしかない、

 それは人間関係の贅沢だ。≫


 バラバラに仕事をいていたとしても、

≪ところがいったん危険に直面する、するとたちまち、人はおたがいにしっかりと

 肩を組みあう。人は発見する、おたがいに発見する、

 おたがいにある一つの協同体の一員だと。

 他人の心を発見することによって、人は自らを豊富にする。≫



 そして、メルモスに続いて、ギヨメの挑戦・・

 冬のアンデス山脈横断の途中で行方不明となる。

 7千メートルにも達する高峰を含む巨大な山岳地帯を捜索することは困難であり、

 捜索の中止が勧告される。

 しかし、遭難から一週間後、無事が確認される。

 生還したギヨメから聞いたこと・・

 アンデス山中、4500メートルの高い峠において、

 氷点下四十度の寒気の中、ピッケルもザイルも食糧も持たずに、

 足も、膝も、手も、血まみれにして歩いている。

≪<・・二日三日四日と歩きつづけていると、人はただもう睡眠だけしか望まなくなる。

 ぼくも眠りたかった。

 だがぼくは、自分に言い聞かせた、

 ぼくの妻がもし、ぼくがまだ生きているものだと思っているとしたら、

 必ず、ぼくが歩いていると信じているに相違ない。

 ぼくの僚友たちも、ぼくが歩いていると信じている。

 みんながぼくを信頼していてくれるのだ。

 それなのに歩いていなかったりしたら、ぼくは意気地なしだということになる>≫



≪<ぼくは自分の妻のことを考えた。

 ぼくの保険証書は、彼女を窮乏から救ってくれるだろう。・・>≫

 失踪の場合、法律上の死亡宣告は4年・・・日本なら7年。

 そして、三日二夜、歩き続ける。


≪<救いは一歩踏み出すことだ。

 さてもう一歩。

 そしてこの同じ一歩を繰り返すことだ・・>≫


 ギヨメの美質・・ 

≪彼の真の美質はそれではない。

 彼の偉大さは、自分に責任を感ずるところにある、
 
 自分に対する、郵便物に対する、待っている僚友たちに対する責任、

 彼はその手中に彼らの歓喜も、彼らの悲嘆も握っていた。≫


 極端な言い方をすれば・・

≪人間であるということは、とりもなおさず責任を持つことだ。

 人間であるということは、自分には関係がないと思われるような

 不幸な出来事に対して忸怩たることだ。

 人間であるということは、自分の僚友が勝ち得た勝利を誇りとすることだ。

 人間であるということは、自分の石をそこに据えながら、
 世界の建設に加担していると感じることだ。≫



『戦う操縦士』・・

「建築成った伽藍内の堂守や貸椅子係の職に就こうと考えるような人間は、

 すでにその瞬間から敗北者であると。

 それに反して、何人であれ、その胸中に建造すべき伽藍を抱いている者は、

 すでに勝利者なのである。

 勝利は愛情の結果だ。

 ・・知能は愛情に奉仕する場合にだけ役立つのである。」


『城砦』・・


「きみは人生に意義をもとめているが、人生の意義とは自分自身になることだ」

「大切なのは、どこかを指して行くことなので、到着することではないのだ、

 というのも、死、以外に到着というものはあり得ないのだから」



 ・・続く。


戸田智弘「続・働く理由 99の至言に学ぶジンセイ論。」

ディスカヴァー・トゥエンティワン

2008年刊


 「人生の意味とは?」

 カール・ポパーが、こんな言葉を言っているとは、知りませんでした(^^)/




09 天才? そんなものはない。
 
   ただ勉強と方法、そして不断に計画することだ。 
 
   ロダン



13 「一体どれだけ努力すればよいか」という人があるが、

   「君は人生を何だと思うか」と反問したい。

   努力して創造していく間こそ人生なのである。

   御木徳近



40 何もしなければ道に迷わないけれど、

   何もしなければ石になってしまう。

   阿久悠



45 人生が終わってしまうことを恐れてはいけません。

   人生がいつまでも始まらないことが怖いのです。

   グレース・ハンセン



52 何かをすると、ときにはまちがうこともある。

   だが、何もしないのはいつでもまちがいである。

   ロマン・ロラン



73 自分がこうなったのは環境が悪いからだ、と文句ばかりいう人がいる。

   私は環境なんて信用しない。

   この世間で立派にやっている人物は、

   自分から立ち上がって望むような環境を探したか、

   あるいはもしそういう環境が見つからなければ、

   自分がつくり出したという人たちなのだ。

   バーナード・ショー(ウエイン・W・ダイアー『自分のための人生』より)





89 人生の意味とは、われわれが人生のなかで見つけたり、あるいは発見できるような

   何かしら隠されたものではなく、わわれれ自身が自らの人生に付与しうるものであること

   を教えてくれています。

   われわれは、自分自身の行為と行動によって、自らの労働によって、自らの活動によって、

   人生や他の人々や世界に対する自らの態度によって、自分自身の人生を意味あるものと

   することができるのです。

   
   かくして、人生の意味への問いは倫理的な問いとなります。

   それは、自分の人生を意味あるものにするためにはわたくしはどのような課題を自分に

   課したらよいか、という問いになるのです。

   カール・R・ポパー『よりよき世界を求めて』







<目次>
はじめに
ニーチェ
1 可能性を見つける
スピノザ/内田樹/ジェームス W.ヤング/ジャン=ピエール・ジュネ/長岡半太郎

2 「やりたいこと」と「できること」
ゲーテ/プルタルコス/ロダン/ジョン・C・マクスウエル/高橋尚子/幸田露伴/御木徳近/田村隆一/石川達三/立川談志

3 自分の価値観を知る
色川武大/手塚治虫『ブッダ』/吉川英治/内田百けん/エドワード・デ・ボノ/マザー・テレサ

4 仕事で自分を表現する
山崎正和/ゲーテ/古今亭志ん生/金井壽宏

5 幸福 vs 成功
三木清/ラ・ロシュフコー/チャールズ・キングズリ/パスカル/スティーブンソン/美輪明宏

6 仕事 vs 労働 福田恆存/ヒルティ/小野伸二/リルケ/土光敏夫

7 迷う力、決める力
スワヒリ語のことわざ/ゲーテ/阿久悠/岡本太郎/スティーブ・ジョブズ/マーティン・スコセッシ『カジノ』/福永武彦/グレース・ハンセン/北野武『キッズ・リターン』/ジョーン・バエズ

8 挑戦する力、持続する力、適応する力
孔子/アントニオ猪木/ジム・アボット/一休宗純/ロマン・ロラン/大杉栄/中山雅史/マイケル・ジョーダン/野村克也/寺田寅彦/宇野千代/太田光/阿久悠/ヴォーヴナルグ/小林ハル

9 よい自分探し VS 悪い自分探し
池田晶子/キルケゴール/木村敏/コンドルセ/アミエル/宇梶剛士/アラン

10 自分探しと世界探し
夏目漱石/三木清/河野哲也/バーナード・ショー/ヘレン・ケラー/福本伸行『最強伝説 黒沢』/シェイクスピア『ハムレット』/柳田謙十郎/山田ズーニー/ゆうきまさみ『機動警察パトレイバー』/福田恆存

11 豊かさのパラドックス
森下伸也/E・F・シューマッハー/チャールズ・R・ブラウン/牟田悌三/mb101bold/養老孟司/サン・テグジュペリ

12 人生の意味
ヴィクトール・フランクル/カール・R・ポパー/業田良家『自虐の詩』/山田邦男/高見順/武者小路実篤/小林秀雄

13 生きるとは自分の物語をつくること
野口裕二/ヴァレリー/河合隼雄/ゲーテ/椎名麟三

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須賀敦子「遠い朝の本たち」(ちくま文庫)




「父ゆずり」・・

≪おまえはすぐ本に読まれる。
 
 母はそういって私を叱った。

 また、本に読まれてる。はやく勉強しなさい。本は読むものでしょう。

 おまえみたいに、年がら年中、本に読まれてばかりいて、どうするの。

 そんなふうに、このことばは使われた。≫



 この本にも、サン=テグジュペリの言葉が紹介されています。

『戦う操縦士』の堀口大学の訳・・



「建築成った伽藍内の堂守や貸椅子係の職に就こうと考えるような人間は、

 すでにその瞬間から敗北者であると。

 それに反して、何人であれ、その胸中に建造すべき伽藍を抱いている者は、

 すでに勝利者なのである。

 勝利は愛情の結果だ。

 ・・知能は愛情に奉仕する場合にだけ役立つのである。」



『城砦』・・



「きみは人生に意義をもとめているが、人生の意義とは自分自身になることだ」

「大切なのは、どこかを指して行くことなので、到着することではないのだ、

 というのも、死、以外に到着というものはあり得ないのだから」





<目次>
しげちゃんの昇天
父ゆずり
ベッドの中のベストセラー
本のそとの「物語」
『サフランの歌』のころ
まがり角の本
葦の中の声
星と地球のあいだで
ひらひらと七月の蝶
シエナの坂道
小さなファデット
父の鴎外
クレールという女
アルキビアデスの笛
ダフォディルきんいろにはためいて…
赤い表紙の小さな本

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須賀敦子「ヴェネツィアの宿」(文春文庫)






「大聖堂まで」・・

≪はじめてのヨーロッパは、日本で予想していたよりずっときびしかった。

 言葉の壁はもちろん私を苦しめたが、それよりも根本的なのは、

 この国の人たちのものの考え方の文法のようなものへの手がかりが

 つかめないことだった。自分とおなじくらいの年齢で、自分に似た知的な問題を

 かかえているフランス人との対話が、いや、対話だけでなく、出会いさえが、

 パリの自分にはまったく拒まれているように思えて、私はいらだっていた。≫




 神奈川近代文学館の「須賀敦子の世界展」で、

 須賀さんがアンダーラインを引いたサン=テグジュペリの『城砦』を見ましたが、

ここでも紹介されていました。


≪そのころ読んだ、サン=テグジュペリの文章が私を揺り動かした。

 「自分がカテドラルを建てる人間にならなければ、意味がない。

 できあがったカテドラルのなかに、ぬくぬくと自分の席を得ようとする人間に

 なってはだめだ」

 シャルトルへの道で、私は自分のカテドラルのことを考え、そして東京にいる

 ふたりの友人はどうしているだろうと想った。≫





<目次>
ヴェネツィアの宿
夏のおわり
寄宿学校
カラが咲く庭
夜半のうた声
大聖堂まで
レーニ街の家
白い方丈
カティアが歩いた道
旅のむこう
アスフォデロの野をわたって
オリエント・エクスプレス

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