10年後失業
城繁幸「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話

夜間飛行

2014年刊



「もし労働組合総連合会が、

 プロ野球チームを保有して、

 全選手を終身雇用にしたら何が起こるのか」を

 細かくシミュレーションすることから、

 日本型雇用の未来をみる試み。


 はたして、史上初の「終身雇用球団」が、

 年俸制の他球団に勝つことができるのか?
 

 のっけからドラフト選手の入団拒否からはじまります。

 1億円の素材が、1年目一律年収400万円の球団に入る・・

 わけはありません。

 
 プロ野球と普通の会社は違う・・と、言い切れないことが

 物語を通してわかってきます。




 物語の途中にときどき入る、城さんのアドバイス、なかなかいいです。

 まずはプレーヤーとしての心得。

≪世の中には、毎日決まったことだけやっていればいい仕事がある一方で、

 同じパターンにははまらず、毎回担当者が頭を使って勉強しないといけない

 仕事というのも、一部にあります。

 前者はとてもラクですが、あっという間に新興国に発注されるリスクが高い。
 
 一方、後者は疲れるけれども、そういう仕事を担える人材は高いお金を出してでも

 雇いたいという企業がたくさん存在する。

 どんな職種の中にも必ず2つは混在しているので、意識して後者に張り付くことが、

 今後の激変する雇用環境の中での生き残り戦略として有効です。≫
 


 次に、マネージャとしての心得。

 人事考課において「結果を出している人をただ評価する」のは、能のないマネジメント。

 監督やマネージャの資質というのは、「結果を出している人を使わずに、実績のない人を

 抜擢できること」にある。

 リスクを避けていては成長できないというのは、人材育成についても言えること。




 「人に優しい会社」などない・・

 会社として人件費の総額が決まっている以上、 

 できる社員からピンハネして、そうでない人間と平均しているだけ。

 できる社員の側からみればまぎれもない「ブラック企業」になる。

 


 「出向」時の心得。

 子会社への出向は、実は片道切符なのは、銀行くらいで、他の業種においては割と元の
 
 会社に復帰するケースもある。

 だから、腐らず前向きにとらえることが大切。

 実際、最初は往復切符であったものが、本人が腐ることで片道切符になったケースも多い。






 10年後に生き残る人材になるための3カ条・・

 1.自分以外の誰かに「仕事を教える」

 2.自分以外の誰かに「仕事を任せる」

 3.誰もやっていない課題を切り出して「仕事を作る」






<目次>
1主体性を持って仕事をする
2嘘と本当を見分ける方法
3年功序列に期待するな
4環境が人を変える
5流動性のない組織に成長はない
6"研修"ですべてを変えるのは無理
7自分の市場価値を高める
8世の中にただ飯はない
9きれい事しか言わない人を信用してはならない
10ローンは組まないほうがいい
11若手に仕事を任せる
12過去の成功体験は捨てる
13「人に優しい会社」などない
14会社の"社会保障"には期待しない
15ブラック企業の心配をする暇があったら勉強しろ
16未来の成功体験はこれから作られる


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城繁幸「日本型「成果主義」の可能性」

東洋経済新報社

2005年刊



 
 旧来の年功序列型の組織では、

 「いかにポストを増やすか」が人事的に最大の懸案事項であり、

 「いかに仕事を増やすか」が、経営方針だった。

 その評価制度は、

 従業員間の競争を抑え、社会的な落伍者を生まない平和的なシステムだった。

 最大の特徴は、
 
 「差をつけない」ことにあった。 

 そのためには「ねずみ講」的な組織である必要があったが、すでに破たんした。


 
 そのため、

 ポスト配分のような出世払い方式から、

 成果に応じた一時金で支払うシステムに変わる必要が生じた。

 

 ただし、

 成果・・・の評価が難しい。

 成果主義のための目標管理制度を導入した企業が陥りやすい負のスパイラルがある。

 相対評価から、絶対評価に切り替えた結果、

 皆が達成可能な目標を掲げるようになり、

 目標達成者は増えたのに、企業業績は低迷したまま、という本末転倒なことが起こった。


 
 さらには、

 評価する管理職自身は、

 年功序列制度で生まれた管理職がまだ残っていること。

 「過去の実績」でポストを得たが、「いま現在の必要性」からポストに就いている

 人材ではないこと。
 



 ・・というのが、9年前のお話。
 

 その後の処方箋は、他書にあります。

 城繁幸「たった1%の賃下げが99%を幸せにする」

 城繁幸「世代間格差ってなんだ」 (PHP新書)

 城繁幸「7割は課長にさえなれません」(PHP新書)



<目次>
第1章 年功序列制度とは何だったのか(年功序列制度にも「競争」はあった
年功序列制度が日本の発展を支えてきた ほか)
第2章 成果主義の現状(年功序列制度という「ユートピア」が崩壊した
「いかに組織を大きくするか」から「いかに組織を削るか」へ ほか)
第3章 なぜ成果主義が機能しないのか(現場の本音
ボーナスの支給額が決まる二つのプロセス ほか)
第4章 日本型「成果主義」はどうあるべきか(避けては通れない管理職問題
管理職ポストの見直し ほか)
第5章 成果主義がもたらすもの(成果主義は万能ではない
制度としては年功序列のほうが優れている ほか)


城繁幸「たった1%の賃下げが99%を幸せにする」

東洋経済新報社

2009年刊





 年功序列制度は、20年を超えてからが回収の時期。

 でも、いまは売上のパイが増えないため、

 若い時の「年功貯蓄」が踏み倒される年功序列制度・・

 その結果が、「3年で3割が辞め、20代で過半数が転職する」




 問題解決のアプローチは・・

 正社員から、非正規雇用への分配すること。

 高賃金の45~55歳正社員が、年間受け取る給与総額は約45兆円。

 そのうち、1%、4500億円を、非正規雇用に分配することで、

 10万人の雇用を維持することが可能となる。





 抜本的な解決策は・・

 企業が多様な人材を受け入れる価値観を持つこと。 

 男子だけでなく、非正規雇用、中高年求職者、女性。






<目次>
第1章 正社員と非正規の間にあるもの
第2章 生き残る21世紀型人材像
第3章 年功序列は日本社会も蝕む
第4章 雇用再生へのシナリオ


城繁幸「若者を殺すのは誰か?」・・ゆとり世代は本当にバカなのか?

扶桑社

2012年刊




 
 ゆとり世代は本当にバカなのか?

 
 1973年生まれは、209万人。

 一方、

 1987年生まれは、134万人。

 既に、3割以上も減少している。

 全体が30%減ったということは、

 東大、京大、阪大に合格できる水準の学生も、それぞれ30%ずつ減っている
 ことになる。

 たとえば、東大 > 京大 > 阪大 という序列だとしてみる。

 大学入試は、相対評価なので、

 東大は、下位の30%は、それまで入学できていなかった学生を
 入学させていることになる。

 京大は、東大に上位30%をもっていかれるから、
 それまで入学できていなかった学生を60%入学させていることになる。

 阪大は、東大と京大に上位60%をもっていかれるから、
 それまで入学できていなかった学生を90%入学させていることになる。

 90%が入れ替わった大学は、事実上、別の大学・・

 といえるのかもしれない。


 でも、この構造を理解せずに、

 「最近の若者はバカになった」という中高年こそ、バカだ、と指摘されています。
 
 
 
 ・・団塊世代以降も、同じ構造で相対値の切り下げがあったし、

   大学進学率1%の時代からすれば、絶対値が下がっているのは当たり前
 
   知のあり方も大きく変わっているので、底辺層の底上げも含め、

   総合的に社会全体の知が増えていれば、十分としなければならないかもしれませんね~



<目次>
第1章 ますます拡大する世代間格差
第2章 終身雇用が若者の未来を奪う
第3章 「クビ切り」でなぜ若者の職が増えるのか?
第4章 若者にツケを押しつける政治
第5章 社会に存在する虚構と“空気”
第6章 若者自身の責任
第7章 これから


城繁幸「世代間格差ってなんだ」 (PHP新書)

高橋 亮平・小黒 一正・城 繁幸

2010年刊





 若者にとって不利な雇用制度である年功序列制度の見直しのための処方箋・・

 「雇用マニフェスト」


1.人材市場流動化のため、労働条件の不利益変更、解雇ルールの明文化

2.非正規雇用労働者からの採用枠を大手企業に義務付ける

3.流動化を前提にした「同一労働同一賃金」の法制化

4.雇用調整助成金の廃止

5.雇用保険の無期限化及び生活保護との一本化

6.退職金優遇税制の廃止

 これらの施策のより、「労働ビッグバン」となる。

  






<目次>
第1章 労働ビッグバンが若者を救う―雇用問題(若者が消極的にならざるを得ない閉塞状況
終身雇用と年功序列が息苦しさの元凶 ほか)
第2章 「世代間公平基本法」の制定を急げ―社会保障(社会保障こそ世代間格差の代表だ
「賦課方式」が不公平を生む ほか)
第3章 ユース・デモクラシーの構築―政治参加(世代間格差は「いまそこにある危機」
高齢者の声に押されるメディアと政治家 ほか)
第4章 人生前半の社会保障の構築―子育て・教育・家族(社会保障も若者向けの支出は少ない
教育・子育て・労働などにおける社会保障が必要 ほか)
終章 各政党マニフェスト評価ダイジェスト(雇用マニフェスト
財政・社会保障マニフェスト ほか)

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