ユリイカ2016年11月号 特集=こうの史代 『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』『ぼおるぺん古事記』から『日の鳥』へ

青土社

2016年刊





 『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』を読んで、映画に行こう行こうと思いながら、

ずるずると年が明けてしまう(*_*;
 
 代わりに、「ユリイカ」の特集を手に取りました。


 連載当時の様子が、紹介されていました。

『漫画アクション』の片隅に 『この世界の片隅に』の居場所 / 細馬宏通

≪平成18年から21年の「漫画アクション」に、

 昭和18年から21年のちいさな物語の居場所があった事。≫


≪・・アオリの文字は一切ない。

 ・・第2回はわずか8ページ。

 その8ページの作品が、あえて目次のあと、もはや雑誌がいったん終わったあとの、

 特別な「片隅に」置かれている。≫
 
 
 当時の「漫画アクション」を思い出すと、なんだか懐かしい気持ちになります。

 
≪わたしたちは、この『この世界の片隅に』をマンガで読んだのだ。

 マンガの形式そのものの変化を通して、右手のありかを知り、

 読むという体験そのものを、物語に重ねてきた。

 そしてこの物語は、『漫画アクション』の片隅で、まるで雨樋の上に蒔かれた

 小松菜の種のようにその居場所を得て、月光を浴びながらその枝葉を伸ばし、

 思いがけない花を咲かせた。≫









<目次>
・私が出会った人々*11
故旧哀傷・米川丹佳子 / 中村稔

・シュタイネ*新連載
パピア・コルプ 他一篇 / 多和田葉子

・詩
イズミ / 橘上



特集*こうの史代――『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』『ぼおるぺん古事記』から『日の鳥』へ



・対談
片隅より愛をこめて / こうの史代×西島大介

・マンガ――こうの史代と私
失われた右手が描く世界 / 近藤ようこ
こうのさんのこと / 谷川史子
山のあなたになほ遠く / おざわゆき

・無数の〈わたし〉のための物語
『漫画アクション』の片隅に 『この世界の片隅に』の居場所 / 細馬宏通
覚え損ねたあのひとの記憶/書き留められた大文字の歴史 / 雑賀恵子
『この世界の片隅に』は「反戦マンガ」か / 紙屋高雪

・こうの史代 単行本未収録短篇
ナルカワの日々

・世界はふたたび色づきだす――映画『この世界の片隅に』
生活への敬意、記録への情熱 / 片渕須直(聞き手=青木俊直 構成=高瀬司)
私たちの右手の行方 / 土居伸彰
アニメ史の中の『この世界の片隅に』 / 藤津亮太
この声の居場所 / のん (聞き手=青木俊直)
のんさんにインタビューしてきました / 青木俊直
Music for all the corners of the world / コトリンゴ

・“傷”の場所/“生”の時間
『長い道』から『夕凪の街 桜の国』へ こうの史代試論 / 檜垣立哉
世界が混線する語り / 中田健太郎
夕凪の街に生まれたけれど / 東直子
こうの史代の言葉について 作中の方言使用を中心に / 吉村和真
原爆文学の系譜における『夕凪の街 桜の国』 / 村上陽子

・こうの史代 鳥エッセイ四コマコレクション
ぷらづま記/たまのを草紙/へるめすの書

・されど、どこにでも宿る愛
鳥を鳴かせずに鳥籠へ こうの史代の鳥 / 藤岡俊博
「日本の夫婦」の不気味さ / 水無田気流
「あー、いいのいいの。わたし好きな人いるから」 / 早川茉莉
行間を描く 『ぼおるぺん古事記』論 / 三浦佑之
手がかりを探しあぐねてわたしたちは雄鶏の姿を探す 『日の鳥』を読む / 木村朗子

・切れぎれのプロフィルから
もう一人の、こうの“先生” 「マンガを描き続けること」と「マンガで食べ続けること」 / 久保直子
終わっている“萌え”の時代と、続く日常について / さやわか
《記録することの力》 雑誌/生活/考現学 / 田中里尚

・資料
こうの史代全単行本解題 / 森下達



・今月の作品
神山紗良・草野青人・村崎友里恵・四塚麻衣・呉基禎
選=三角みづ紀

・われ発見せり
ライブアイドル・コミュニティ / 竹田恵子
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青野春秋「100万円の女たち」 (ビッグコミックス)



 5人の女と小説家の男との奇妙な共同生活。

 1巻が期間限定で無料だったので読み始めたら、

 ヘタウマな絵にもかかわらず、この世界にぐいぐい引き込まれました。

 ふと作者を確認したら、『俺はまだ本気出してないだけ』の青野春秋さんでした。


≪売れない小説家、道間 慎。

 彼は5人の女たちと一緒に暮らしている。

 女たちは毎月、彼に100万円支払い、彼が女たちの世話をする…なぜ?
 
 金と愛と死の臭いが立ちこめる一軒家で、歪な六角関係が繰り広げられる…≫


 1巻は、主人公も、5人の女性たちも謎だらけ。

 この謎、徐々に明らかにされていますが、その過程がいいです。


 ・・4巻読了して思うこと。

 もう一回、1巻から読み直します(^^♪ 



内閣権力犯罪強制取締官・財前丈太郎』(ないかくけんりょくはんざいきょうせいとりしまりかん ざいぜんじょうたろう、英名 - Government Crime Investigation Agent Zaizen Jotaro)

原作:北芝健、漫画:渡辺保裕



 2か月ほど前に、KINDLEで1巻11円くらいでセールしていたので、
 17巻まとめ買いしていたもの。

≪今や日本の政治は、政界を裏で操っている巨悪からの圧力により、
 警察も検察も政界には介入することができない。
 そこで内閣は、超法規的な権限を持った特殊部門を創設する。
 「内閣権力犯罪強制取締局」(G.C.I.A.)と呼ばれるその組織は、
 超法規的権限を持つ犯罪捜査のエキスパートたちにより構成されていた。
 組織の捜査官の一人、大富豪中の大富豪のみが所持することを許される
 ザイナース社クレジットカードの最上位「ゴールドブラック」を持つ男、その名は財前丈太郎。
 過去に得た人脈とゴールドブラックカード、そして独自の機動性を最大限に活用し、
 財前は政界の巨悪に挑んでゆく!≫

 身分証明書付きクレジットカードが、水戸黄門の印籠なような役割を果たす。

 一国家公務員ながらも総理大臣を超える権限を持って、巨悪に立ち向かうと設定そのものが荒唐無稽なのですが、

 とっても面白くて、あっというまに読み終えました(^^♪


 12巻の一節・・



 未来に希望が持てない学生に向かって、財前丈太郎が言う言葉・・

「よく聞けよ お坊ちゃん


 お前は誰かのつくったルールの枠の中でしか

 トップを取って来なかった・・

 ここで原爆が爆発すりゃ狭い枠の中の優等生として

 くだらねぇ 虚無を抱えたまま

 お前の人生が 終わるだけの事だ

 
 絶望とは 

 その状況を乗り越え

 希望を持って生きるためにあるんだよ!」




古屋兎丸「帝一の國(ていいちのくに)」


 超名門校・海帝高校の生徒会長選挙を巡って行われる異常な選挙戦・・

 高校生の選挙とは思えない買収・恐喝など、各陣営が繰り出す権謀術数の数々により、

 逆転・逆転また逆転の連続が続き、勝負の行方はわかりません。

 終盤は、宗教勢力やマインド・コントロールまで、出てきます。

 3年越しに手に取りましたが、最終巻の14巻の最後まで、存分に楽しませてもらえました(^^♪

 

バーナード嬢曰く 3巻
施川ユウキ「バーナード嬢曰く。3) (REXコミックス)

2016年刊





 表紙の言葉も、楽しいですが、

 書評としても、随所に素晴らしい(^^♪



タタール人の砂漠 [ ディーノ・ブッツァーティ ]
 ブッツァーティ「タタール人の砂漠」・・

≪辺境の砦に赴任した青年将校ドローゴが

 タタール人が攻めてくると言われている

 目の前の砂漠を監視する


 
 最初はこんなヘンピで何もない所 すぐ出ていってやるって思うんだけど

 いつかタタール人が襲来して勇敢に戦う日が来るかもしれないと期待して

 ズルズルと居続けちゃうんだ


 ・・で、そのまま何も起こらないまま人生を浪費してしまうって話で

 40代くらいの人が読むと突き刺さるらしい≫


 教訓・・

 「待っていれば 人生を価値あるものに変える

  何かが起こると期待するな!

  行動し切り拓いていけ!」

 それとも、

 「大抵の人生はドラマチックなことが起こらないから

  それを受け入れろ!」

 と思うか云々・・町田さわ子、神林しおり、長谷川スミカらの会話が楽しい(^^♪

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