野田稔「企業危機の法則
野田稔「企業危機の法則-リスク・ナレッジマネジメントのすすめ」(角川oneテーマ21)

2000年刊







≪危機回避の第一歩は危機の帰結をイメージすることである。

 これに失敗すると、対応はすべて的はずれなものとなる。

 「イメージできないものはマネージできない」のだ。≫





「リスクマネジメント」は大きく分けると、

 「リスクアセスメント」と

 「ダメージコントロール」になる。

 前者は、リスクの予知、予防を行う。リスクの発生前に行われる危機への準備である。

 後者は、「リスク対応行動」というべきもので、

 リスクの発生後、その影響を最小限にとどめて、速やかに平常に復帰させるための対応を行う。




企業におけるリスク・・

1.経営のリスク

1.1.法務上のリスク

1.2.財務上のリスク

1.3.労務上のリスク

2.災害・事故のリスク

2.1.自然災害

2.2.事故

3.政治・経済・社会のリスク

3.1.政治的リスク

3.2.経済的リスク

3.3.社会的リスク

4.その他のリスク

4.1.施設関連

4.2.市場変化



リスク・アセスメントには、基本的に4段階がある。

1.リスクの発見・評価

2.リスクコントロール

3.リスクファイナンス

4.プロセスの実行と評価



リスクへの対応の仕方には、大きく2つある。

1.面発想

 全員がマニュアルにしたがって対応していく方法論。

2.点発想

 リスクに正しく対応できる優秀な人間の行動に依拠するという方法論。



リスク対応行動の基本形・・

1.危機の早期認識

 「危機だ」と気づいた時から、危機の拡大は封じ込められる。

 また、それまでに被った損害は復旧される。


2.組織としての対応優先順位の明示(優先価値)

 総花的な対応が一番危機。

 「何を大切にするか」より、「これ以外は捨ててよい」を明示する。

 もしくは順番付けを明確にする。


3.状況対応的な指揮命令系統の理解

 危機において指揮命令系統は寸断されることが多い。

 「誰の言うことを聞けばよいのか」の一元化、

 指揮権継承序列の明示が必要。

 特に、平時とは異なる序列に習熟させる必要あり。


4.情報収集と開示の原則

 一次情報の収拾こそパニック予防の手段。

 そして、得た情報は開示するのが原則。

 嘘とノーコメントは後々致命傷につながる。


5.危機状況における特例の共有

 危機に際しては「危機特例」が必要な場合もある。

 企業危機の重大な局面になる可能性があるものについては、

 おとがめなしの特例が必要なわけだ。


≪リスクマネジメントというものはナレッジマネジメントの極めて近くにあるので、

 ナレッジマネジメントで用いられる手法は概ねリスクマネジメントに

 探りを入れられるということを覚えてもらいたい。≫
スポンサーサイト


佐々淳行「私を通りすぎた政治家たち」

文藝春秋

2014年刊




佐々淳行さんの祖父は、佐々友房。

佐々友房は、西南戦争で西郷方について戦い、後、熊本済々黌を創設し、
国権党の領袖だった。

父の佐々弘雄は、九州帝大教授から朝日新聞論説主幹を勤め、
戦後は参議院議員、緑風会のメンバーだった。

佐々さんへ、政治家になる誘いは再三あったが、すべて断ってきた、といいます。





ニーチェは『ツァラトゥストラはかく語りき』で、

「権力意思の持ち主」と「権力欲の持ち主」という表現をしている。

「権力意思の持ち主」とは、「強烈な責任感を持って、公益・国益のために身を挺して、

 実行すること」、ステーツマン、「政治家」を指す。

「権力欲の持ち主」とは、「権力に付随する利益や享楽を追い求める者」のことで、

 ポリティシャン、「政治屋」を指す。


あらまほしきリーダーとは、権力意思を持っている人物でなくてはならない。



そういう目線で政治家を評価してみると・・

田中角栄は、「すぐれたポリティシャンではあるが、ステーツマンに不可欠な

 「ノーブレス・オブリージュ」がなかった。」


国を滅ぼす愛国心のない似非政治家・・「そうしたおよそ尊敬できない人士の中で、

 つい最近まで現役だったのが民主党の石井一氏だ。」



「どうも自民党リベラルに連なる政治家は、国益に反することを重ねてきた。」


「自民党リベラルには親中派が多かったことも不幸だった。

 国民にはハト派のイメージを振りまいて選挙では一定の勢力を保ち続けた。

 理想を述べるのは一見、きれいでスマートだが、内実はなんのことはない。

 国防や島嶼防衛の重要性など念頭になく、派閥争い、権力争いばかりしてきたわけである。」




<目次>
序章 私の政治家観の原点
第1章 戦後、そして現代を築いた大物政治家たち
第2章 国益を損なう政治家たち
第3章 憎めない政治家たち
第4章 海外からの賓客、外国の大物たち
第5章 政治家にならなかった私と、同志たる思いを託した政治家たち
第6章 将来を期待したい政治家たち
後書 滅びゆく士族の末裔として未来の政治家に遺す

佐々淳行「インテリジェンスのない国家は亡びる―国家中央情報局を設置せよ!」

海竜社

2013年刊




 いまの日本には、

 海外への渡航者、約1800万人、海外在住の日本人、約120万人が、

 国際的な緊急事態に即応できる機関がない。


 日本に必要なのは、

 見下されて使い捨てられる忍者・・007のようなスパイではなく、

「意志決定のための情報収集と分析のプロフェッショナルを集めた機関、

 内閣直轄の強力なインテリジェンス機関」である。


 
≪・・在留邦人救出作戦、エバキュエーション・プランは日本政府が、

 何としても準備しておかなくてはならないことである。≫





「黙っていると侮られるのが国際社会である」

 海外のネガティブ・キャンペーンに対する対策として、

 ナショナル・コンテスト・オフィサー会議を設けるとともに、

 抗議のメッセージを書くオピニオンリーダーを、

 無給の内閣非常勤嘱託として300人ほど契約しておく。

 不当な批判や悪口、言いがかりに対して、きちんとした抗議のメッセージをしていく。 




<目次>
第1章 アルジェリア人質事件から浮かび上がってきた、日本の情報能力
第2章 「国家中央情報局」を設置せよ
第3章 邦人の保護・救出は国家の大事業
第4章 国家抗議権を確立せよ
第5章 日本にはJCIAではなくJKGBが必要

佐々淳行「救国の八策」

幻冬舎

2012年刊






≪孫の代に他国の属国にならないための大方針≫・・




第一策 海防論

 日本は四方を海に囲まれていることを忘れるべからず。固有の領土を将来にわたって守るため、海防を強化すべし

第二策 外交論

 集団的自衛権の行使を認め、日米安保条約を「100年条約」にすべし「防衛費1%」は撤廃,防衛問題を財政問題にしてきた愚を改めよ

第三策 皇室論

 まず天皇制護持を宣言せよ 「皇室典範の改正により、旧宮家男系相続人の養子縁組を認め、皇統断絶の危機を回避すべし

第四策 憲法論

 第九条のくびきを打ち破り、自衛隊を国軍にすべし国民の命運にかかわる重要案件について、国民投票を可能にせよ第五策 国防論敵地攻撃能力無くして国民を守ることは不可能と認識せよ一朝ことあらば「躊躇なく、敢然と立ちあがる」意思を示すべし

第五策 国防論

 敵地攻撃能力なくして国民を守ることは不可能と認識せよ。一朝ことあらば「躊躇なく、敢然と立ち上がる」意志を示すべし

第六策 治安・危機管理論

 社会とともに変化する犯罪、さらに自然災害に備え、国民の安全、治安に携わる公務員を増員すべし

第七策 エネルギー・食糧論

 安全性確保の方法を明示し、原発を再稼働した上で,新エネルギーを増加させる道筋を示すべし

第八策 経済論

 専門家の英知を実現するためにも、国の信用が不可欠、政府は自らの身を切って覚悟を伝え、国民の信頼を取り戻すべし





<目次>
第1部 なぜ今、「船中八策」ブームなのか
(救国の政治家か、ただのポピュリストか
維新版「船中八策」の発表
龍馬が掲げた「船中八策」とは ほか)
第2部 「救国の八策」私の提案
(海防論
外交論
皇室論 ほか)
第3部 平成の七不思議―誰が聞いてもおかしなこと(防弾チョッキ、ヘルメット携行は武器の輸出?
なぜヤマハボートが武器なのか?
なぜ防衛費は一%以下なのか? ほか)

佐々淳行の危機の心得―名もなき英雄たちの実話物語

青萠堂

2012年刊





 危機的状況において、上の指示が期待できない時、

≪危機を最小限の被害で切り抜けるには持ち場、持ち場での「人間力」

 に頼るしかないということだ。≫



 また、現場を知らない本部からの官僚的な指示がきた場合は、

 福島第一の吉田所長が行ったように、

 現場指揮官として、「誤った命令を敢然と握りつぶ」す。

 いくら誤った命令だとしても、最初から「抗命」、

 つまり、ハッキリと命令を拒否してはいけない。

 上からの命令をともかく受け取って、その後、自分の責任において握りつぶす。

 現場からみて、いくら誤った命令であっても、

 本部にいる発令者は、正常な心理状態で命令しているため、抗命は逆鱗に触れる。

 だから、決まったマニュアルのない危機管理においては、「命令握り潰し」という

 トリッキーなやり方を知っておくことも重要である。



 東大紛争の時、上司の警視総監から強行突入を命令され、大学当局もなんとか穏便に

対応しようとしていると説明し、命令を拒否し、総監から激怒されます。

 その時、ベテランの公安総務課長が、佐々さんへこうアドバイスします。
 
 「佐々さん、真正面からの抗命はまずいよ。

  要はハイ、ハイと聞いておいて、やらなきゃいいんだ。

  催促されたら、現場大混乱のゆえ連絡相手の・・教授がつかまりません。

  ただいま必死に探しております、って言っときゃいいんだ」

 この老獪さ、学ぶべきだと思います。




 
 
 湾岸戦争時に、米国陸軍の補給司令官だったウィリアム・ガス・パゴニス中将は、

 『山・動く』の中で、
 
「私は無線の故障を装った。
 
 誤った命令を受けたときに伝統を誇る軍隊で使われている昔ながらの手だ。l

と語っています。




 危機管理力を磨くには、

 「心に地獄図を描け」


「人は想像できていた危機には強いが、想像できなかった危機には弱い。」





「苦しくなったら私の背中を見て」(澤穂希)




<目次>
序章 東日本大震災‐福島第一原発メルトダウン―今度もまた「天災」の後に「人災」がきた!
第1章 国際評価篇―国際的に称賛を浴びた日本民族
第2章 危機の現場篇―日本を救った「現場」の英雄たち
第3章 消防篇―公助が遅い国家ニッポンを支える無名のヒーローたち
第4章 警察篇―黙々と自らの職務を果たす警察官たちの胸の内
第5章 海上保安庁篇―海洋国家・日本の海を守る海上保安官たちの活躍
第6章 自衛隊篇―大震災でも頼もしかった日本国民の「最後の砦」
第7章 海外篇―9・11同時多発テロ「名もなき、もの言わぬ英雄たち」
付章 いま語る9・11の当日のワシントンの現場

PAGETOP