心に感じて読みたい送る言葉 [ 齋藤孝(教育学) ]
齋藤孝「心に感じて読みたい送る言葉」

創英社/三省堂書店

2016年刊




 「心に感じて読みたい送る言葉」とは?

 と思ったら、弔辞」集でした。


 「棺を蓋いて事定まる」・・

 「生前には利害関係や認識に情が入ったりして公平な判断が難しく、

  その人の真価を正確に見定めることはできない。

  遺体を棺に納め、ふたをして、初めてその人の評価が定まるということ。

  葬儀の挨拶などによく用いられる。」

 ・・三島由紀夫に対する武田泰淳の言葉、いいですね(^^♪



 冒頭の2つを紹介します。


 芥川龍之介へ(菊池寛)……昭和2年7月24日 東京都・谷中斎場

≪芥川龍之介君よ

 君が自ら択(えら)み自ら決したる死について 我等何をか云はんや

 たゞ我等は君が死面に平和なる微光の漂へるを見て甚だ安心したり

 友よ安らかに眠れ!

 君が夫人賢なれば よく遺児を養ふに堪ゆるべく

 我等亦(また)微力を致して君が眠(ねむり)のいやが上に安らかならん事に努むべし

 たゞ悲しきは 君去りて我等が身辺とみに蕭篠(しょうじょう)たるを如何せん

                  友人總代 菊池寛≫





 太宰治へ(井伏鱒二)……昭和23年6月21日 東京都三鷹市・太宰家

≪太宰君は自分で絶えず悩みを生み出して自分で苦しんでゐた人だと私は思ひます。

 四十歳で生涯を終わったが、生み出した悩みの量は自分でも計り知ることが

 出来なかったでせう。

 ちょうどそれは、たとへば岡の麓の泉の深さは計り知り得るが湧き出る水の量は

 計り知れないのと同じことでせう。

 しかし元来が幅のせまい人間の私は、ただ君の才能に敬伏してゐましたので、

 はらはらさせられながらも君は悩みを突破して行けるものと思つてをしました。

 しかしもう及ばない。

 私の愚かであつたために、君は手まとひを感じてゐたかもしれません。

 どうしようもないことですが、その実は恥ぢ入ります。左様なら。 ≫





<目次>
一章 作家編
芥川龍之介 様 ― 菊池寛《弔辞》
太宰治 様 ― 井伏鱒二《弔辞》
三島由紀夫 様 ― 武田泰淳《弔辞》 など

二章 文化人編
寺山修司 様 ― 山田太一《弔辞》
武満徹 様 ― 谷川俊太郎《弔辞》 など

三章 映画・芸能人編
渥美清 様 ― 倍賞千恵子《弔辞》
三船敏郎 様 ― 黒澤明《弔辞》
三國連太郎 様 ― 佐藤浩市《喪主挨拶》 など

四章 政治家・経済人編
岸信介 様 ― 中曽根康弘《弔辞》
松下幸之助 様 ― 谷井昭雄《弔辞》 など

五章 スポーツ選手編
川上哲治 様 ― 王貞治《弔辞》 など

六章 「作品の中のあの人」編
「猫の墓」 ― 夏目漱石《エッセイ》
「夏目さん」 ― 泉鏡花《随筆》
「永訣の朝」 ― 宮沢賢治《詩》
「ひこうき雲」 ― 荒井由美《歌詞》 など
スポンサーサイト

日本人は何を考えてきたのか [ 齋藤孝(教育学) ]
齋藤孝「日本人は何を考えてきたのか―日本の思想1300年を読みなおす」

祥伝社

2016年刊





 「人生に意味はあるのか?」


 この大きな問いに対する究極的な答えは、

 禅風にいうなら「意味があるとかないとか考えること自体が無意味だ」

 ということなります。

 つまり、意味を考える、考えないということではなく「ただ生きろ」ということです。

 これはとてもすっきりした答えですが、

 あまりにすっきりしていて、多くの人は、この答えで生きていけるほど精神は強くありません。


 お金は生きていくために必要ですが、すべてが満たされるわけではない。


 また、日々の一時的な気晴らしだけでは、人生の意味とはいえない。


 そうなると、普通は「永遠なるもの」を人生の拠り所として求めるようになる。

 強い信仰心を持っている人は、神的な存在に人生を意味づけるかもしれません。

 
 でも、そうでない人にとっては、芸術や美術などかもしれません。

 「芸術は人生より長い」


 芸術には「永遠の価値を含んだもの」であり、現在、私たちの身の周りにたくさんあります。

 
 また、日本には、芸術だけでなく、あらゆる分野のドアが開かれている。

 
 あなたのドアの叩き方次第で、いくらでも人生を楽しくすることはできるのだから、

 それを見つけることが重要になる。
  
 



<目次>
第1章 言葉と日本人
・日本語の表現に込められた精神
・言葉の力を信じる
・日本語の消化力

第2章 宗教と日本人
・日本人の宗教観はどう育まれたか
・日本人は無宗教?
・原理主義という病
第3章 西洋と日本人
・明治維新で手に入れたものと失ったもの
・アメリカへのあこがれと西洋コンプレックス
・「日本」はどこにある?

第4章 日本人の人生観
・日本人に染みついた決めないスタイル
・お金の思想と経営能力
・人生のミッションを見つけよ

プロフェッショナル宣言 [ 齋藤 孝 ]
齋藤孝「プロフェッショナル宣言」(星海社新書)

2016年刊




 入社1年目から3年目あたりの若い衆の持つ不満や不安・・

 「仕事のやり方がとても非効率なのですが、提案しても聞いてくれません」

 「ルーティンワークに明け暮れる毎日で将来への希望が持てません」

 「会議の時間が長すぎて疲れます」

 「日々の仕事が忙しすぎて将来の目標が持てない」

 「今の仕事は自分に合っているのか? 転職すべきではないか」

 「こんな安月給で働く意味があるのだろうか」

 「この会社でずっと働いて未来はあるのか」

 などなど・・



≪どうも、「プロフェッショナルの入り口」を前に心が定まっていない印象を受けるのです。

 新人時代は終わったのに、まだ首がすわっていない状態でふらふらしています。≫


 そんな若い衆に対するアドバイスは、

 「今の仕事を一生懸命やって、スキルや経験を身に付けよう」  

 というオーソドックスなもの。

 なぜなら、

 今は、まだプロフェッショナルを目指す修行期間だから。

 入社3年目、「修業中の身」。

 こう覚悟を決めると、実は仕事のストレスは軽くなる。

 仕事で失敗しても、まだ修業中の身なので仕方がない。

 失敗して、怒られるのも、修業中の身だから仕方なし。

 「考えない」ことが自分の身を守る場合もある。

 だから、修業に徹したほうが実は楽です。


 そして、

 プロを目指す、プロフェッショナル宣言をしよう。

 上司や先輩、同僚に向かって、

 「プロフェッショナルとしてこれからは仕事を任せてもらえるよう頑張ります」と

 宣言する。

 「プロフェッショナル宣言をしたんだから、中途半端な仕事はするな!」

 と周りからも叱咤激励してもらう。




<目次>
第1章 覚悟を決めてプロフェッショナルへの道を歩もう
第2章 プロフェッショナルを目指すための心得
第3章 今は修行期間と考えてスキル、経験、センスを身に付けよう
第4章 仕事での人とのつきあい方、特に上司
第5章 メンタルを強化して仕事に前向きになる
第6章 仕事のキャリアは自分でプロデュースしていこう

日本人の闘い方 [ 齋藤孝(教育学) ]
齋藤孝「日本人の闘い方 日本最古の兵書『闘戦経』に学ぶ」

致知出版社

2016年刊




 『闘戦経』・・今から900年前、平安時代末期に、

 大江匡房(まさふさ)(1141-1111)によって書かれた

 戦いの極意の書である。


 「戦いというのはただ勝てばいいのではない、

  ズルをして勝つのではなく、正々堂々と戦うべきである」

 という、日本の戦うスタイルを宣言している。





≪私たち日本人の「武」というものは天地の初めからあるものである。

 ・・

 私たち日本人の「武」の道はすべての根元であり、いろいろな考え方の

 大本になるものである。≫




≪文と武を別のものと捉えることが多い。

 しかし、車の両輪や翼の両翼が片方しかなかったら機能はしないように、

 文と武があって一つのものなのである。≫

 古代中国では、武は武、文は文と分けて考えることが多かったが、

 日本では一つのものとして捉えてきた。





≪精神力や気力に頼る者は不十分である。

 また、精神力や気力を無視することも不十分だ。

 知っているというだけでは、すぐに忘れてしまって使いものにならない。

 考えごとをしているといっても、考えるだけで終われば何の意味もない。

 大切なのは深く識って、自らの骨になるほど身につけることだ。≫





≪戦いの世界にいるならば、しっかりと、正々堂々と戦うだけである。≫

 兵の道にある者は能く戦うのみ。





≪必要なのもの、取るべきものは十分に取っていい。

 いらないものは思いきって捨てる。≫

 取るべきは倍取るべし。捨つべきは倍捨つべし。




 
 部下を信じよ・・

≪集団のトップに立つ人は、まず疑う心を捨て、部下を信頼しよう。

 そのことによって、むしろ権威を増していこう。≫




 一喜一憂しない・

≪常に変化していくことが普通の状態であることを知り、

 もののけのように見えるものも物質であることを知れば、

 天地を動かす根本原理の働きを味方につけることができる。≫




闘戦経 [ 家村和幸 ]

闘戦経新釈【電子書籍】[ 高城 通教 ]

<目次>
ビジネスパーソンに問う53の心得

はじめに――現代ビジネスパーソンに贈る日本最古の兵書
第一章 心に「武」を秘めているか
第二章 常に戦う気持ちを持っているか
第三章 知識や技術が骨身にまで達しているか
第四章 自分の得意技に徹しているか
第五章 剛毅なる心を持っているか
第六章 若い頃から骨を鍛えてきたか
第七章 「断」の訓練はできているか
第八章 正々堂々と戦っているか
第九章 今、あなたは戦っているか
第十章 本気で取り組んでいるか
第十一章 ほどほどをわきまえているか
第十二章 現実に行動しているか
第十三章 覚悟を決めて戦っているか
第十四章 気力は充実しているか
第十五章 自分の特性をわきまえているか
第十六章 師と仰ぐ人はいるか
第十七章 大局的判断をしているか
第十八章 士気を高く保っているか
第十九章 志士の魂を持っているか
第二十章 臍の下に覚悟と気はあるか
第二十一章 蝮の毒を持っているか
第二十二章 本当にそれが必要か
第二十三章 基本を身につけているか
第二十四章 決断力は鈍っていないか
第二十五章 威厳を持っているか
第二十六章 チームの心は一つにまとまっているか
第二十七章 利害を離れて、断固たる決断をくだせるか
第二十八章 燃える火を心の中に持っているか
第二十九章 勝つことに徹しているか
第三十章 敵の弱点を突いているか
第三十一章 ミスを想定して対策をたてているか
第三十二章 部下を信じているか
第三十三章 隙を見せてはいないか
第三十四章 一喜一憂してはいないか
第三十五章 自分は運がいいと信じているか
第三十六章 小であることを歎いていないか
第三十七章 「脚下の蛇」を制しているか
第三十八章 陰と陽は一体になっているか
第三十九章 臨機応変に対処できるか
第四十章 まずは土台がしっかりしているか
第四十一章 無駄な努力をしていないか
第四十二章 鯉のように滝に登る努力をしているか
第四十三章 ピンポイントで攻めているか
第四十四章 迷うことなく突き進んでいるか
第四十五章 空理空論に陥っていないか
第四十六章 自ら選んだ道を全うしているか
第四十七章 気を漲らせているか
第四十八章 得意技を磨いているか
第四十九章 圧倒的なパワーを持っているか
第五十章 勇気や知略だけに頼ってはいないか
第五十一章 心の中に北極星をもっているか
第五十二章 負けない手を打っているか
第五十三章 質実剛健を忘れてはいないか
あとがき――日本人のDNAに連なる『闘戦経』

大人のための書く全技術 [ 齋藤孝(教育学) ]
齋藤孝「大人のための書く全技術」

KADOKAWA

2016年刊




 まず身につけるべきは「原稿用紙10枚を書く力」・・

 ランニングと書くことを比較してみると・・

≪私の感覚では400字詰め原稿用紙1枚が1キロに相当します。

 つまり、原稿用紙10枚は10キロを走るイメージです。≫

≪原稿用紙3~5枚は、トレーニングをしなくてもなんとか書けるものです。

 しかし10枚となると、書き出す前にメモやレジュメをつくり、

 文章全体像を構築しなければなりません。≫

≪10枚書くということがどういうものかわかって書く場合と、

 そうでない場合とでは、精神的な疲労度もまったく違ってきます。≫





 小論文に求められること・・

 まず、求められたことをきっちりと答えること。

 それに加え、
 
≪当事者意識を持って問題に取り組んでいけるかどうかが問われるのだ、

 ということを忘れてはなりません。

 自分がやるのだったらどうやるのかという点を明確に示し、

 それを文章で展開しなければならないということです。≫


 そして、2つの視点を持っていること。

≪”巨視的な視点”と”個としての視点”の二つです。

 日頃からこの二つの視点を持って思考し、働いているかどうか、

 それが問われてくるのです。≫



≪巨視的な視点とは、問題を一般的なものとしてとらえ、

 どう対処するかということです。≫

≪当事者意識が感じられる文章を書くには、日頃からそのように考えているのが

 第一です。自分が働いている会社や業界で起こることなど、どんなことでも自分のこと

 としてとらえて考えていくことです。

 結局それが一番の近道になります。≫




 文章を構築する際のプロセス・・

1.書きたいテーマ(もしくは気づき、主張)を見つける

2.テーマから3つのキーコンセプト「言いたいこと」をつくる

3.3つのキーコンセプトを結び付けて文章を構築する


 読まる文章とは何か?

 それは、≪書かれたことに”発見”や”新たな視点”が含まれている文章です。≫

≪そもそも人が人に対して、純粋に何かを伝えたいと思うのは、自分がそれまで知らなかった

 何かを感じたり、発見したときです。≫

≪たとえ特別な文章力がなかったとしても、”発見”や”新たな視点”さえあれば

 読者を感動させることができるのです。≫








<目次>
第1章 社会人こそ「書く力」が必要な理由
第2章 書き方を変えると生き方が変わる!―「書く力」を鍛える基本練習
第3章 仕事の成否は文章力で決まる!―ビジネス文書の全技術
第4章 文章の達人になる―ワンランク上の書く技術
第5章 「読む・書く・話す」の達人になる―言葉を磨く最後の全技術
終章 私の「書く力」を鍛えた40冊

PAGETOP