勢古浩爾「負けない」(ちくまプリマー新書)

2009年刊



 心弱まり、気落ちするときの心構えは、

 「勝ち」を求めるのではなく、

 「負けない」「よし、負けない」と自分を叱咤することだった。


≪わたしは、「負けない」は「勝つぞ」よりも強いと思っている。

 「負けない」という言葉は、動揺し、浮遊し、暴れようとする心を、

 とりあえず元の位置に繋留し、その震えを鎮める錨のようなものである。

 ・・
 
 ただし、「負けない」と自分を叱咤して、終わりなのではない。

 そこから再スタートしなければならない。≫



≪「勝ち負け」だけの価値基準で生きることは貧しいですね。・・

 「損得」勘定だけですべてを判断する人間は卑しいし、

 「強いか弱いか」だけで人を測る人間は愚かだと思います。

 そのいずれの価値基準にも、「正しいか間違っているか」という

 第一基準がその根底になければ、そんなものには意味はない、と思うからです。

 さらに、できればそこに「美しいか醜いか」「義か卑怯か」という基準も

 加えたい。≫


 <目次>に挙げられている「○○に負けない」という「○○」を見ながら、

 自分ならどうか、と考えています。



 でも、まあ、負けたっていいものもあるよね~、と思っていたら、

 最後に、「負ける」思想が紹介されていまいた。

 バクチ打ちだった色川武大さんの

「トータルで9勝6敗の人生なら御の字、8勝7敗でもいい」

 という思想がベースにあった上で、「負けない」思想が成り立つのだ、と思います。



<目次>
第1章 世間に負けない
(「負けない」思想
世間に負けない
情報に負けない
流行に負けない
年齢に負けない
格差に負けない
形式主義に負けない
常識に負けない
未熟に負けない
世間語に負けない)
第2章 他人に負けない
(他人に負けない
あなどりに負けない
評価に負けない
「みんな」に負けない
損得に負けない
バカに負けない
鼻もちならぬ人間に負けない
暴力に負けない
「もてない」に負けない
群れに負けない)
第3章 自分に負けない
(自分に負けない
個性に負けない
貧乏に負けない
見てくれに負けない
学歴に負けない
劣等感に負けない
嫉妬に負けない
「友だちがいない」に負けない
孤独に負けない)
第4章 世界に負けない
(世界に負けない
欧米人に負けない
国家に負けない
無意味に負けない
死に負けない
「負けない」に負けない
「負ける」思想)
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勢古浩爾「人に認められなくてもいい 不安な時代の承認論」(PHP新書)

2011年刊





"Everyone has an invisible sign hanging from their neck saying,

'Make me feel important.'

Never forget this message when working with people."





≪わたしたちは、人に認められるために生きているわけではない。

 当然のことである。

 人の視線のなかで生きるなんてバカげている。

 

 しかし、この世に生まれたときから、あらゆる評価にされされていることも

 また確かな事実である。

 それに、ほめられると、これがなぜかうれしいのである。

 自分の「価値」を認められたと思うのだ。

 ・・

 わたしたちは「評価」から逃れることができない。


 感覚(や理性)は評価するからである。

 人やモノを見るとき、わたしたちはその好悪美醜を評価しているのである。

 わたしたちは見る存在であると同時に、見られる存在である。

 つまり、評価する存在であり、評価される存在なのである。≫





≪社会的承認は「能力」による承認である。≫

 プロスポーツ、職人・・でも、いやだからこそ、

≪社会的承認は「能力」という条件によって承認されるがゆえに条件的である。

 もしその「能力」が失われれば、承認はあっさり取り下げられる。

 ゆえに、永続的保証はない。≫

 しかも、

≪社会的承認は、おなじ能力をもっている者がほかにいれば交換可能である。≫





≪人間の強さは、意志の強さのことである。

 腕力の強さや気性の強さなどどうでもいい。

 人が感嘆するのはその能力であり、腕力や権力ではない。

 ましてやお金でもない。

 ・・

 意志が何度破れても、なお破れない者に感動するのである。≫








<目次>
第1章 ついつい自慢したくなる―自己証明
第2章 バカにされると腹が立つ―自尊心
第3章 「おもしろい人」と思われたい―世間価値
第4章 モテたい・結婚したい・評価されたい―承認
第5章 自分の非を認めたくない―自我
第6章 「自分だけの意味」を見つければいい―超承認

【送料無料】最後の吉本隆明

勢古浩爾「最後の吉本隆明」(筑摩選書)

2011年刊




 かつて多くの若者にとってそうであったように、

 吉本隆明は、勢古さんにとって「事件」であった。


 『言語にとって美とはなにか』『心的現象論』『共同幻想論』の
 三部作は最後まで目を通したが理解できなかった・・と正直に告白しつつ、
 この三部作がなくとも、吉本さんの素晴らしさは変わらない、といいます。


 『情況』における吉本さんは、

 「無敵性」「単独性」「文章のキレのよさ」で突出しており、
 知識人でありながら庶民という「新しいインテリ像」を示した。

 また、そこでの議論は広範で「世界の広さ」を示しており、
 その議論は「公正な倫理と自信」にあふれていた、
 といいます。



 ≪人間性を置きざりにするような思想に意味はない。
  思想はつねに「人間」の下にある。

  そしてなにごとであれ、「探究するといふ苦痛」に耐えることなくして
  思想はありえない。≫


 一介の独学者が、どこまでいけるか?
 どこまででもいけることを示したのが、吉本さんだった。
 

 44歳まで、週の半分を特許事務所に勤めながら、
 『言語にとって美とはなにか』等を次々とものにしていった、という
 エピソード、感動します。




 吉本が論争相手に問い続けたことは、

 「本気かね?」

 「ほんとかね?」

 ということだった。

 もし本気だというのであれば、
 それはいったい誰のための本気なのか?
 そのために自分はなにを支払ったのか?

 それは、立身と保身、自分の安全のためではないのか?
 自分を棚上げにしてのことではないのか?

 と問うている。




 ピカイチの詩・・『日時計篇』




 エドマンド・バーク
 「絶望してはいけない。
  だが、もし絶望してしまったら、絶望の中、進み続けるのだ」





<目次>
第1章 吉本隆明という稀有
第2章 人生の辛酸と不屈
第3章 「事件」としての恋
第4章 無敵の論争、背後の含羞
第5章 独力独学による“知”の極北
第6章 片言隻句としての思想
第7章 「世界認識」×「大衆の原像」=吉本思想
第8章 一条の光射しこむ還り道
第9章 最後の吉本隆明



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勢古浩爾「生きていくのに大切な言葉 吉本隆明74語」

二見書房

2004年刊


 



≪人間の情況を決定するのは
 関係の絶対性だけである。≫(マチウ書試論・転向論)




≪人は他者によって作られたじぶんに責任を負わなければならない。
 それが虚像であるばあいも真実の所在する場所だからだ。
 そしてこのばあい虚像であるかないかはどうでもいいことで、
 真実の所在する場所ということが重要なのだ。≫(世界認識の方法)




≪個人のほうが国家や公よりも大きいんです。≫(私の「戦争論」)



<目次>
第1章 生きる―結婚して子供を生み
第2章 闘う―自らを辱めざらんことを
第3章 考える―十年やりゃあいい
第4章 恋をする―籍を入れない男女の関係ってのはさ
第5章 低くする―有能な奴と闘える無能を認める
第6章 認める―僕は敗戦まで軍国主義者だった
第7章 老いる―幸福な老人とかがあると思わないほうがいい
第8章 死ぬ―さようなら、ご機嫌よう

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勢古浩爾「定年後のリアル」

草思社

2009年刊



≪仕事が大事なのは仕事をしているあいだだけで、
 辞めてしまえば、仕事など大事でもなんでもなくなる、
 というのが不思議である。≫

 この当たり前のことが、定年までわからない・・ということに気づかされます。



 定年で失うもの・・

 仕事、給料、目標意識、仕事仲間との会話・つきあい、定期券、仕事上の人脈、名刺など

 ・・不自由・拘束時間


 定年で得るもの・・

 失業保険、わずかな年金、ありあまる自由時間


 「これからが本当の人生ですよ!」のウソ・・

 今までだって、ほんとうの人生だった。

 

 山際素男『破天』・・佐々井秀嶺という僧侶の激しい人生

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<目次>
第一章 身分はただの素浪人
第二章 「リアル」も千差万別
第三章 もう六十歳とまだ六十歳のあいだ
第四章 なにをしてもいいし、なにもしなくてもいい
第五章 さみしいからといって、それがなんだ 第六章・元気な百歳ならけっこうだが
第七章 貧乏でもほんわか生きたい
第八章 飄々と

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