東京のクリームソーダ

東京のクリームソーダ
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片岡義男「東京のクリームソーダ」

光琳社出版

1998年刊



 安原顕さんの書評本の中で、
 「スローなブギ」の片岡さんが、驚くべき進化を遂げ
 硬派な思想家になってる、という対談者のコメントがあったので、
 ちょっとまとめて読んでいます。




 東京に残る「昭和」・・

 食べ物屋さんの写真が異様に多く感じます。



 005 カレーライスを食べて、
     さらにもう少し頑張った日々の累積が、
     水の泡となる人生という奇跡。


 065 撮り下ろし日本の日常百景、という試み。
     これはそのなかのひとつ。


 263-300 
     自分が撮った写真を観察してわかったのは、
     つくづくとはまざまざである、ということだった。
     つくづくと観察すると、まざまざとわかる。
     なにがわかるのか。
     食べることを絶対の中心にして、
     日常は営まれているという事実だ。・・


 ・・モノ食う人々




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安原顕「へそまがり読書王」

双葉社

2002年刊




小田光雄『図書館逍遥』

 マルクスは大英図書館で『資本論』を、
 ベンヤミンはパリ国立図書館で『パッサージュ論』を、
 レーニンはチューリッヒ県立図書館で『帝国主義論』を、
 レヴィ=ストロースはNY市立図書館で『親族の構造』を書いた。
 
 
 

阿部良男『ヒトラー全記録 20645日の軌跡』

 1938年10月に書かれたユングの分析・・

≪ヒトラーは真に神秘的な呪術の範疇に属する人間である。・・

 彼はその声[自身の自意識]の命ずるところに従って行動する人間に似ており、
 さらに詳細に診立てるなら、空想虚言と言える。
 
 自分の嘘を信じ込む特殊能力で知られるヒステリーの一形態である。・・
 
 悲しむべく無教養と、その上に築かれた狂気近い誇大なうぬぼれ、
 ヒステリー特有の、抜け目のなさに過ぎぬ凡庸な知性、青年の権力妄想、
 こうしたものがこのデマゴーグの顔には書いてある。≫
 
 
 



片岡義男『東京22章―東京は被写体の宝庫だ。』

 片岡義男が、いまとてもハードは思想家になっている。

≪写真に文章を添えた本なんですが、戦後に平和を与えられた日本人がどれほど堕落していったかを、
 写真一枚ごとに断章的に書いているんです。≫

≪片岡義男が一貫して書いているのは、戦後日本が、いかに自己責任をよそに譲り渡し、楽な道を
 歩んできたかに対する批判なんですよ。≫





久世光彦『蕭々館日録』

 「戦後文学ベスト10」に入れたい秀作!



<目次>
腐れ国家日本を撃った労作!―桜井よしこ『日本のブラックホール特殊法人を潰せ』
小泉純一郎「靖国神社参拝」の愚挙
郵貯の民営化は馬鹿銀行を増やすだけ
「逆ざや郵貯」、一兆円強の赤字―原田淳『郵便局民営化計画』
米の「同時多発テロ」について
米の「テロ報復攻撃」について
二〇世紀の「紛争」一万八四二件!―浦野起央編著『20世紀世界紛争事典』
日本を捨てた「天才」の真っ当な怒り―中村修二『怒りのブレイクスルー』
日本の図書館が駄目な理由―小田光雄『図書館逍遙』
「再販制」再考〔ほか〕


本読みの「本」知らず

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安原顕「本読みの「本」知らず」

双葉社

2002刊




高田里恵子『文学部をめぐる病い』

≪著者は「あとがき」で、日本におけるドイツ文学研究は「二流」の人間で成立していたこと。

 通常はエリート文化と呼ばれる教養主義もまた、この「二流」の人々の文化現象だった
 
 と書いている。≫



車谷長吉『銭金について』

 「怒りの車谷」の面目躍如の文、「死の光」。
 
 中央公論社時代、同僚だった笠井潔の兄、笠井雅洋についての徹底批判の文であるが、
 
 「もらい怒り」までした。




高橋秀実『からくり民主主義』(草思社)

≪マスコミはかつて、上九一色村の村民はみなオウム真理教に反対、
 彼らの移転を求め、断固戦ったとの印象を与える記事を流したが、
 実際に取材してみると、村民らは「誰も迷惑していなかった」と明言する。≫

 最後まで闘ったのは、竹内精一という人だけだった、といいます。

 ・・沖縄の基地問題も同じような構造がある。





森乾『父・金子光晴伝 夜の果ての旅』

≪晩年、少しマスコミの寵児となって、もたはやされてお金が入るようになっても、
 お弟子さんや困っている人にかたっぱしからあげてしまうので、結局いつもピーピーしていた。
 ・・
 
 父の葬儀は盛大だったが預金通帳には「たった十九万八千円しか記載されていなかった」。≫


『詩人 金子光晴自伝』

 反対

 僕は、少年の頃
 学校に反対だった。
 僕は、いままた
 働くことに反対だ。

 僕は第一、健康とか
 正義とかが大嫌いなのだ。
 健康で、正しいほど
 人間を無情にするものはない。

 むろん、やまと魂は反対だ。
 義理人情もへどがでる。
 いつの政府にも反対であり
 文壇画壇にも尻をむけている。

 なにしに生まれてきたと問われれば
 躊躇なく答えよう、反対しにと。
 僕は、東にいるときは
 西にゆきたいとおもい、

 きものは左前、靴は右左。
 袴はうしろ前、馬は尻を向いて乗る。
 人のいやがるものこそ、僕の好物。
 とりわけ嫌いは、気の揃うということだ。

 僕は信じる。反対こそ人生で
 唯一の立派なことだと、
 反対こそ、生きていることだ。
 反対こそ、じぶんをつかんでることだ。




安原顕「日本はなぜ「こんな国」になったのか」

旬報社

2002年刊




≪ぼくが読んできた膨大な本の中から、
 「今後、世界や日本は一体どうなるのか」
 「日本はなぜこんな国になったのか」
 を考える上で役に立つであろう60冊を厳選、論評を加えたものである。≫



 本書、前半は政官財のダメダメさを示す本を紹介しています。
 当時は、自民党や社会党との連立政権への批判でしたが、
 この2年間、自民党から民主党に代わっても変わらなかったことへの絶望感・あきらめは深い。
 
 「あとがき」での安原さん提言は、「地方交付税」を止めてしまえ、というもの。
 
 政官財から一般庶民までが持っている「タカリ」体質を変えよ・・・(>_<)






山本夏彦『私の岩波物語』(文春文庫)

≪「人は困れば何を売っても許されるが、正義だけは売ってはならない。

  正義は人を汚すと聖書にある」≫




靖国問題への疑問・・

≪日本人はなぜ、無能無策ゆえに負けた軍人を「神」として祀るのか!

 祀るべきは原爆被爆者であり、空爆で死んだ全国の無辜の民だろうが。≫




<目次>
1 「政官業」の実像を読む
(納税者意識を失わせた「給与天引き制度」の罠
(『続・日本国の研究』猪瀬直樹)
議員立法年間わずか一割は、内閣法制局のため
(『知られざる官庁内閣法制局』西川伸一)
杜撰の極、会計検査院はただちに解散させよ!
(『日本国の研究』猪瀬直樹) ほか)
2 「ジャーナリズム」の実像を読む
(部数競争と拝金の日本の新聞
メディアの偏向には十分注意せよ!
(『小論文の書き方』猪瀬直樹)
排他的「記者クラブ」はただちに撤廃せよ
(『瀕死のジャーナリズム』猪瀬直樹) ほか)
3 「歴史」を読み直すと(百年前よりさらにひどい日本
(『明治・大正家庭史年表一八六八‐一九二五年』下川耿史/家庭総合研究会編)
「日本」は地名ではないとは驚きだ
(『この国のすがたを歴史に読む』網野善彦・森浩一)
日中ともに無責任な最高責任者たち
(『南京事件』笠原十九司) ほか)




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安原顕「乱読すれど乱心せず―ヤスケンがえらぶ名作50選」

春風社

2003年刊





井伏鱒二『黒い雨』・・
 
≪井伏鱒二の狙いは原爆告発や反戦ではなく、文中に出てくる庶民の言葉、

 「わしらは、国家のない国に生まれたかったのう」に、

 怒りを凝縮させる方法を取っている。≫






武田泰淳『富士』・・

 雑誌『海』に≪連載中は一行も読まず、単行本を読んで仰天、
 なるほど村松が一度でもいいから読めと言っていた意味が理解できた。

 戦後のベスト10に入る超ど級の秀作だったからだ。≫





島尾敏雄『死の棘』・・

≪・・断片的に発表された『死の棘』収録の短編群の大半は、
 ミホ夫人が清書したというのだから、これまた驚きではないか。≫

≪この長編、うんざりも退屈もせず、心震えながら読み、
 読後さらにこの倍は読みたいと強く願いもした。≫






永井龍男『一個 秋その他』・・

≪永井龍男の短編を久しぶりに読み、巧いので改めて感心した。

 彼の名は短編小説好きにとって、特別なもの≫だった。





澁澤龍彦『ねむり姫』・・

≪何が面白いのか。


 大昔の日本の説話から素材らしきものを借りたものが多いが、
 それはほんのきっかけで、あとは自由自在、どのようにして話を運べば、
 自身も読者も楽しめるかに腐心、破天荒な嘘八百(=想像力)を駆使した
 「物語」ばかりだからだ。≫

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