大晦日・・・
買出しに行って、車を洗っての合間に

「蒼穹の昴」の番外編・・とのことで、
浅田次郎「珍妃の井戸」を手に取る。


芥川龍之介の「藪の中」と同じく、
真相は、「藪の中」・・ならぬ、「井戸の中」。

正直、フラストレーションの残る最後でした。

謎解きを期待するのでなく、
ストーリーテリングを楽しめ、
ということなんでしょうか・・・。

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初田賢司「本当に使える見積もり技術―ソフトウエア開発を成功に導く」


日立のPMOに所属されており、また、日本ファンクションポイント・ユーザ会副会長でもある初田賢司さんが書かれた「ソフトウェアの見積り技術」の本。
「日経ITプロフェッショナル」に2005年5月号から、2006年3月号まで連載された「本当に使える見積もり技術」を加筆修正して出版されたものです。


プロジェクトの多くが、当初の「見積りミス」によるものであり、
その「見積りミス」の大半は、
 「見積り段階で前提条件を合意できておらず、
  プロジェクトの実行段階でコントロールできなくなるケース」であり、
 結果として、気づいた時には、当初規模の2倍以上に膨れ上がることもある。

「こうしたリスクを回避するのは、
 ものづくりの計画に加え、
 マネジメントの計画を立てておく必要がある。

 スコープやコスト、スケジュールなどについてマネジメントのベースラインを決め、ベースラインとの乖離を把握する仕組みを作らなければならない。
 マネジメント計画は、見積りで大枠が決まる。
 だから、見積りでプロジェクトの成否の大半が決まる」


若い衆の頃は、
下工程(詳細設計・コーディング・単体テスト)における狭義の見積りにおいて、
機能特性、言語別生産性、それを踏まえての見積りの適性さの議論等をよくしたものですが、
この本では、そうした視点は、「エンジニアリング」の一部にすぎないことがわかります。

見積りにおいて、
「エンジニアリング」面と同等に「マネジメント」面と連携した見積りが大切であり、
その全体構造を明確に示しています。

FP法(IFPUG法)とPMBOKに、準拠しているのも、
思考のフレームワークとして理解しやすいと思います。

最終的に、KKD(勘と経験と度胸)は残るでしょうが、
その前に、「見積りの技法や手順を熟知」して、
過去の「データを蓄積・活用」し「見積り」をした上でのこと、
という至極当然の指摘・・
でも、ややもするとできていないことを再認識することができると思います。



○見積り制度を高めるための3つの基本原則

 1.見積りはプロダクトプロジェクトの「設計」だと思え

  ・見積りは要求定義の裏返しである
  ・見積りの技法や手順を熟知する

 2.「ピタリと当てる」ことよりも、
   「あいまいさをなくす」ことに主眼を置け

  ・ピタリと当てる魔法の仕掛けは存在しない
  ・社内外のデータを蓄積・活用する
  ・仕様変更を意識し、見積り根拠を明確にする

 3.それでも「経験」と「勘」は駆使せよ
  
  ・暗黙知に依存する世界は残る
  ・見積り能力の向上には経験が必須である
 

○保守開発における工数見積り

「エンハンス部分は新規開発と同じ
 カギは母体部分の品質保証計数」

「手を加えない「母体部分」にも目を向ける」

「品質要件の考慮が重要」

 この第4章を基に、年明けプロジェクトのメンバーと議論してみようかと思っています。

 新規開発部分については、顧客とも合意が取れやすいのですが、課題となるのが、改造箇所。この章に書かれている「母体部分の品質保証計数」・・、改造時のインパクト・アナリシス・「現行機能の調査」と「母体部分の確認テスト」・「回帰テスト」「リグレッション・テスト」の範囲・工数の妥当さ。

 考え方はわかっているものの、この工数・係数をどうするか・・というのは、
 FP法の各種の係数をどういう数値にするか、ということ同様、悩ましい問題です。



「ITプロジェクトの「見える化」 下流工程編」
情報処理推進機構(IPA) (著), ソフトウェアエンジニアリングセンター(SEC) (著), 日経コンピュータ (編集)

プロジェクト・マネージャやPMOのメンバーが対象・・・といいつつも、

「プロジェクトで発生した事象、あるいは起こりつつある何かの予兆を「見える化」すること

さらに、見えたものから真の問題が何かを「言える化」し、

問題の対応策を策定する「直せる化」を含めて、

現場に立脚した方法論を創出することを目標としている。」

というので、プロジェクト・メンバー全員が知っておくべきこと、と思います。


「見える化」だけでなく、

「言える化」「直せる化」は、本書で新たに提案する呼び方、とのこと。


この本で取り上げている「下流」とは、
読む前は、システム開発の「下工程」・・詳細設計からCD/UTあたりのことか、
と思っていましたが、
「結合テスト~総合テスト工程」のこと。


「見える化」

 ・「俯瞰図」 わからないものをより的確に把握するため、高いところから見るために作成
 ・「チェックシート(自己評価シート)」 プロジェクトの問題の兆候を自己評価するために利用
 ・「チェックシート(ヒアリングシート)」 プロジェクトの問題の兆候が現れているかを専門家が判断するために利用
 ・プロジェクトの問題の兆候の「定量的」な把握
 ・問題が明らかになった場合の対応策としての「ガイドライン」


「言える化」
 
 ・「症例分類表群」 問題が何かを把握するため、過去の失敗プロジェクトで生じた問題をパターン化したもの
 ・「症例分類表群」は、
   「一般マップ」
   「ヒアリングマップ」
   「測定項目マップ」
   「事例マップ」
  の4つで構成。これを用いて複合的な問題に対応する「統合的アプローチ手法」を採る。


「直せる化」
 
 ・改善策の策定のための方法論

上記の付属資料は、電子ファイル版が、SECのホームページから手に入ります。

この付録、結構充実してます。
といって、一から全部読む気にならないので、目に留まったところを
ふむふむ、と思いながら読んでいます。


下流工程編ですが、
掲載されている数多くの図・表、チェックリスト等は、

システムの基本構想書やプロジェクト実行計画書、品質保証計画書等の
策定・整備時にも参考になると思います。

これで1700円って安い本だな、と思って読んでいたら、
執筆者の一人は、上司でした^_^;

来年、机の上に置いておこうと思います。


PS

こちらに昨年12月のセミナーでのSECの要約資料が載っていました。

今年は、上流編が出るようですね!

自社の納会は、28日でしたが、
プロジェクトは、29日まで。
一部システムの本番立会が、昨夜と今日の午前中までありましたが、
無事に終了の連絡が入りました。
これで、3日まで心置きなくお正月休みが過ごせます。
今年もおかげさまで、の一年でした。

昨日の大納会の結果で、
日経平均が4年連続、前年末を上回ったとのこと。

 1月 4日 1万6361円54銭
 4月 7日 1万7563円37銭(最高値)
 6月13日 1万4218円60銭(最安値)
12月29日 1万7225円83銭
    
 保有株の方は、1月16日が最高値。1月5日からのわずかの間に、
10%以上騰がっていたのに、この日を境に下落開始。

 でも、どう考えても、元に戻ったなんて思えず、
日経平均株価の感覚と大きくずれているので、
保有株の状況調べてみると、
 あれれ・・、前年比マイナス20%でした。

 配当・優待が3%程度あったとしても、大幅マイナス。

 新興株が半分以上なので、やっぱり日経平均ではなんともいえないな、
と思っています。


 ところで、
 少しだけ持っている
中国株を見てみたら、びっくり!

 有名なインフラ系銘柄、高速道路や製鉄会社等にもかかわらず、
 前年比プラス40%でした。
(投資金額比だと、プラス66%・・
 過去2年ほど行ったりきたりだったので、ここ半年チェックしてませんでした)

 直近、大連行ったり「蒼穹の昴」読んだりで、
 これも何かの縁?!なので、

 02880 大連港(ダリアン・ポート)

 を、応援馬券のつもりで買ってみようかな。 




「蒼穹の昴」・・読了です。

第4巻は、

清朝末期の、維新運動である
変法運動(1895-1898)が、クーデターにより挫折する過程を描く。
沈鬱な雰囲気・・が漂います。

ここでは、30年かけて、一足先に維新を成し遂げた日本、
それを体現していた伊藤博文の存在が大きい。

挫折した変法の志士たちを励ます伊藤博文の言葉は
とても良いです。

維新が成就するためには、3代を必要とする。
その前の2代は捨て石になろうとも、
国家、社会にとっては必要・・・

史実かどうかはわかりませんが、
孫文らが日本に留学した理由や背景もわかったような気がします。


王逸(ワンイー)・・挫折した革命家が、
教育者となり、後進を指導しようとする最後の姿に
明日への希望が見えました。







清朝末期、
西欧列強と新興の日本に、国土を蹂躙されているにもかかわらず、

皇帝派と西太后派の二つに分かれて(実際には、地方軍閥等収集がつかない状態だったのでしょうが)、権力争いにうつつをぬかす・・・。

しかし、そんな中でも梁文秀(リャンウェンシウ)の上司である

楊喜木貞(ヤンシチェン)は、黙々と仕事をこなす。

「学芸と習慣を掌る礼部衛門(がもん)は、何度国が滅び、王朝が交代しても決してその機能を止めることのないふしぎな役所であった。

 そればかりか旧態依然たる行政組織のどこの間尺にも合わなくなった事案が、とりあえず礼部に持ち込まれ、楊大臣の机上に山積される。」

*礼部(れいぶ)は、六部の1つで、礼楽儀仗・教育・国家祭祀・宗教・外交・科挙などを司掌した。


イギリスの香港租借の非道の経緯とともに

イギリスとの交渉における
李鴻章の「国家百年の大計」

に感心する・・・ものの、
100年後に、この会議のメンバーは誰一人生きておらず、清朝さえ滅んでいることを見据えた・・というものの、いまここに生きている人間にとっては、やっぱり長いなあ、と思わざるを得ませんでした。









いよいよ西太后の登場!

でも、のっけから西太后のぶっちゃけトークに
目が(・・)

これを称して、通りいっぺんではない
西太后の人柄が伝わってくるような描写・・といっていたんだ。

史実かどうかはおいておいての浅田ワールドですね~。


この小説では、

滅亡直前の
清朝末期にも、立派な人物がいたこと・・

曾国藩や李鴻章

の二人の存在を知りました。
李鴻章は、日清戦争の将軍としてだけ知っていましたが。

西太后に曾国藩が、
太平天国の乱の平定を命じられた時、

「もちろんこの場合の任務とは、ただ兵を率いて戦うことではない。『軍費を調達し、新軍を建設する』ところからすべておまえがやれ、という命令である。
 ・・
 まず腐敗した既存の軍人たちには見向きもせず、故郷の湖南省湘郷に帰って民兵を募り、わずかの間に軍規正しい「湘軍」を作り上げた。
 師に従ってその幕下に参じた若き日の李鴻章も、やがてそれに習って生れ故郷の安徽省に戻り、淮河のほとりに農兵を募って「淮軍」を組織した。・・

 ・・民兵集団はついに十余年にわたって猖獗(しょうけつ)をきわめていた太平天国を滅ぼしたのだった。」
と、文官が、討伐を命じられて、
軍費を調達し、軍を作り、
近代兵器を購入し、軍を維持するために、事業を経営した。

国家からの資金援助を受けず、
この自給自足した軍隊を「軍閥」という。

・・・なんか、歴史の授業で習った時の、「軍閥」が、中国を食い物にしていたというのとは、反対になってます。

曾国藩や李鴻章のお二人は、まさに「ガルシアへの手紙」の「ガルシアに手紙を届けられる人間」ですね。


そして、もう一人の主人公、李春雲(リイチュンユン)のビルディングス・ロマンが始まりました。

後半に期待です。



浅田次郎さん、「蒼穹の昴」の文庫本第1巻を読みました。

前評判高く、最後は読み終えるのが惜しい、
という声が多かったので、楽しみです。

「汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう―中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。都で袂を分かち、それぞれの志を胸に歩み始めた二人を待ち受ける宿命の覇道。万人の魂をうつべストセラー大作。」


第1巻は、
主人公の一人である梁文秀(リャンウェンシウ)が、
中国・清朝末期。漢の時代から連綿と続く、科挙の試験を潜り抜け、
進士に登第するまでが克明に描かれています。


いや~、「科挙」が摩訶不思議な制度だとは聞いていましたが、

四書五経の43万字を諳んじることを求められ、

幼少の頃から、事前選抜試験である
「県試」を受け、その合格者は、
「府試」を受け、さらに
「院試」に合格して初めて、
科挙の本試験に進む資格が生まれ、かつ、官吏の末席たる「生員」様になる。

さらに、
「歳試」を通り、
「科試」を通って、ようやく
科挙の第一次試験である
「郷試」に向かう。3年の一度だけ、各省の首府で開かれ、競争率は100倍に達する。
この「郷試」の合格者が、上天の星に応ずると称えられる「挙人」となる。

この「挙人」が、全国から2万余人集まって
科挙の本試験である
「順天会試」が開かれ、
その中から合格した300名のみが
「進士」に登第することができる。

・・その「進士」が最後に皇帝の前で受けるのが、
「殿試」であり、
上位3名が、それぞれ「状元」「榜眼」「探花」と呼ばれ、
官僚機構のトップを約束される
・・・という。

途中、90才を超えてまだなお、科挙の試験・・「順天会試」
を受け、「進士」を目指し続ける老人や
試験のプレッシャーで発狂するもの等の姿も描かれています。


「科挙」というと、
昔、宮崎市定さんの本を積読したままだったことを思い出しましたが、
浅田次郎さんの文章だと、とってもイメージしやすいです。

今後の展開に期待です。




浅田次郎さん「地下鉄(メトロ)に乗って」を、

東京メトロの、東西線と三田線に乗りながら読みました。

題名どおり、地下鉄にこだわった不思議な話でした。

でも、最初は違和感がなかったものの、
地下鉄じゃなくても・・・というシーンが続いて、
最後の方は、地下鉄はあんまり関係なくなってきたりしました・・
が、これはご愛嬌か、と思います。

戦前の都内の様子や、
戦後闇市の様子が、生々しく感じられて面白かったです。

特に、昭和21年の預金封鎖、新円切替えの
雰囲気が良かったです。

勘違いしてしまうことが多いのですが、
戦前の印象として、戦後直後より貧しかったという誤った認識がありますが、
この小説等を読むと、
戦前のレベルまで日本が復興するのは、「三丁目の夕日」の昭和30年以降まで
10年以上待たねばならなかったんだなあ、と思いました。

DVDが出たら、映画も見てみたい。




ウォーキング・マラソン、

10月1日からスタートしましたが、
今日で、京都まで到着しました!

東海道53次、
全長540キロ、
一日1万歩=約6km
で、3ヶ月間で歩こう、
という趣旨だったので、ひとまず達成。

でも、切りがよいところで
100万歩が目標だったので、
あと5日間で、何歩まで行けるやら・・。


現時点、
トータル歩数:911547歩
一日平均  : 10477歩


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