有沢誠編「クヌース先生のプログラム論」


 「コンピュータの神様」という異名もあるスタンフォードのドナルド・E・クヌース先生に関する本。
(クヌース先生の誕生日、1月10日は、クヌース信者?のみなさんにとって「クヌースマス」なんだとか?!)

 編者の有沢誠さんは、クヌース先生の教えをコンピュータ社会に伝道する宣教師を
天職の一つとして布教につとめてこられたとのこと。


 クヌース先生の主著である「アートとしてのプログラミング(The art of computer programming)」に、
チャレンジしてみないとな~、と思いつつ、
構想では全7巻、現在第5巻執筆中・・・のこの本、
なかなか手を伸ばすのをためらっています・・・純粋に、アルゴリズムを学ぶのであれば、別の本をかもと
思ってしまうので。
 しかも、すでに構想から35年ほど以上・・・、クヌース先生も69歳・・。
 でも、第5巻は、2015年が予定されているとのこと・・・その時、77歳。そして、まだ2巻あります。
 白川静先生らのように80歳すぎて大著をものにされるとしたら・・・しかも、コンピュータ・サイエンス本を、というのはすごいことです。



 このクヌース先生の大分のお仕事から、
 「プログラム論」「アルゴリズム論」「TEXプロジェクト」「文芸的プログラミング」と
それを実現している「コンピュータライフ」を、一挙にとりあげるという、とっても欲張りな位置づけの本ですが、

前半は、クヌース先生自身とお弟子さんによる講演会記録、
途中の「文芸的プログラミング」については言語の説明のため、さすがに雑誌記事になりますが、
最後の「コンピュータライフ」はインタヴュー記事になっており、
話し言葉口調のため、内容の理解度はともかく親しみやすくなっています。


第1章 芸術としてのプログラミング
第2章 算法的思考と数学的思考
第3章 TEXプロジェクト
第4章 文芸的プログラミング
第5章 クヌース先生のコンピュータライフ
付録 クヌース先生の発表文献リスト

 
 第1章にて、「The art of computer programming」の本の題が、
最初「art」ではなく、「act(方法)」だったこと。
 「サイエンス」に対して、「アート」を使われた理由を説明されています。

「サイエンスとは、私たちがきわめてよく理解し、したがってコンピュータに教えこむことのできるような知識のことである。もし私たちが何かを完全に理解したとはいえない場合には、その何かはアートの範疇に入る」

「アートからサイエンスへ移るプロセスは、何かを自動化する方法を学ぶことを意味して」いる、と。

だから、人工知能による「自動プログラミング」の目標が達成されるとはないと思いつつ、そのような研究はきわめて重要なことである。この努力の中で、「アート」そのものが向上するはずであるから。


 第2章、算法的思考=アルゴリズムの説明にあたって、9冊の数学書の100ページについて、どういう記述がなされているかを抽出することで、数学的思考の特徴を洗い出し、普遍的な数学的思考などというものはない、ということを示されています。・・が、この分析が、基礎数学をかじったことのない当方としては、ほとんどの数式はちんぷんかんぷん。ほんと、勉強してないと勉強さえできないじゃない^_^;


 でも、この本読んで、他のクヌースさんの著作にもチャレンジしてみよう、という気になりました。


「至福の超現実数―純粋数学に魅せられた男と女の物語」
を書いた時、女神ミューズが舞い降りてきて、ホテルにこもって1週間で書き上げたこと、途中、奥さんと2回ホテルで逢引き?!した話などなかなか良かったです。


まずは、この本ぐらいから気軽に手に取ってみようと思います。



文芸的プログラミング

コンピュータの数学

クヌース先生のドキュメント纂法

コンピュータ科学者がめったに語らないこと


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G. ポリア「いかにして問題をとくか」

訳は、柿内賢信さん。


 ポリア先生は、スタンフォードの数学の先生。

 「いかにして問題をとくか」

 その方法は、ズバリ、本書の表表紙と裏表紙に書かれています。


 第一に、問題を理解しなければならない。

 第二に、データと未知のものとの関連を見つけなければならない。
 
     関連がすぐにわからなければ補助問題を考えなければならない。

     そうして解答の計画をたてなければならない。

 第三に、計画を実行せよ。

 第四に、えられた答えを検討せよ。



 ・・・が、200ページを使って、この4つのステップの詳細なプロセスの説明とともに、このプロセスに取り組む時のマインドについて書かれています。

 前者は、数学の問題を通して、具体的に説明する一方、

 後者について、なかなか含蓄がある言葉がたっぷりです。

 たとえば・・・

 ・理解しない問題に答えるということはばからしいことである。

 ・問題全体をよく了解しないうちに細部に手をつける学生があるのは全くばかばかしい、悪い習慣というほかはない。
 
 ・補助問題を考えることは心の大切なはたらきである。
  他の問題の役に立つ鮮明な問題をつくりあげ、他の目的のためには手段であるものをはっきりと目的とみなすことはすぐれた知性のはたらきである。

 ・計画を理解することとそれを実行することは2つの違った仕事である。


 ポリアさんの作った「人造格言」

 ・目的は手段を教える。

 ・何、なぜ、どこ、いつ、どのようにの5つを友とせよ。
  忠告が必要なときはこの5人の友をたずね、他のものにたずねてはならない。

 ・最初にみつけた松茸(や発見)のちかくをさがせ。
  それらは群をなして生えているからである。



 ・問題を解くことは純粋に「知的」な事柄であると考えるのは間違いであろう。
  それには決意と情緒とが重要な役目を演ずるものである。
  生半可な決意と何かしようとするぼんやりした考えでも、教室でのありきたりの問題をやっていくには事足りるかもしれない。
  しかし真面目な科学の問題を解くためには、長年にわたる苦闘と苦い失敗とを切り抜けなければならない。

 
 
 ・問題がとけなかったら、そのことを余り気にかけないで、もう少しやさしい問題をとくことで満足しなければならない。
  すなわち、まずこれと関連した問題を解こうとするのである。
  そうすれば、また、もとの問題を解こうという元気がでてくるに違いない。



 昭和29年刊の本書、
 ネットで注文して届いた時は、しまったかも?!
 と一瞬思いましたが、読み始めると訳もわかりやすく、

 問題解決の方法論の例として、初等数学の問題を取り上げつつ、それに取り組むマインドをあわせて説明する本っていうのは珍しく、それが現在でも読み継がれている理由なんだと思いました。
 


「情報の歴史―象形文字から人工知能まで」編集工学研究所

「情報の歴史を読む―世界情報文化史講義」松岡正剛


 
 「情報の歴史」は、「コンピュータの名著・古典100冊」の1冊なのですが、
 
 この本の解説書になる千葉大社会学部での松岡正剛さんの講義、

 「情報の歴史を読む」をあわせて、2冊セットで目を通しました。

 「情報の歴史」だけだと・・・、眺めているだけでも面白いことは面白いのですが、
さすがに何に焦点を絞って読んでよいのやら・・
と思ったため。

 (「情報の歴史」は、絶版になっていたので、図書館でお借りしました)



「情報の歴史」・・・

単に書かれたもの・・だけではなく、

すべての存在には、「コード」「情報」が含まれている。・・人間自身だって、「情報メディア」の一つだ。

この「情報」及び「情報」の編集について、どう取り組んできたのか、を、
「情報の歴史」では一網打尽し、
「情報の歴史を読む」では一刀両断したといったところでしょうか。



各年代毎の「メルクマール」へのコメントが、ズバリ一言ですが、どれも深い!

 たとえば・・7000万年前-40万年前のところでは、

 「立ち上がった人類は、難産と育児をひきかえに、巨大な脳の持主になっていた。すべての歴史は、この大きくなりすぎた情報処理力に富んだ脳にはじまった。」と。

・・見開き1ページで、10年あるいは100年・・・古代だと1000万年単位を
表現しているので、当然といえば当然なのですが。



「情報の歴史を読む」では、

 150億年前の宇宙誕生、ビッグバン・・

 それも最初の3分間、1000億度くらいの「熱い宇宙」の誕生から
 水素とヘリウムの原子核ができるまでの「宇宙は最初の3分間でつくられた」という
 ジョージ・ガモフさんの説からスタートします。

 また、人間のDNA、RNAの中に、「情報」と「情報」を保存・継承する手段があったこと。


「共時性」「同時代性」・・

世界史的な視野を持つことの大切さは、
よく言われることですが、

一目瞭然でわかる本です。

 終末思想が、西洋では1033年(キリスト没後1000年)、東洋では1052年(ブッダ入滅後1000年)と同時であり、

 西洋で巡礼が盛んになった頃、日本でも「熊野詣」が盛んになる。

 一休さん、グーテンベルク、コロンブス、レオナルド・ダ・ヴィンチがほぼ同時代人であり、
 
 エリザベス女王が、織田信長の一つお姉さんだったとか。




 松岡さん、最後の言葉として、

 「これからの時代は、「複雑系」と「共生系」と「遊牧系」がテーマです。
 
  それに、そのうち、古代中世にあれほど君臨していた中国文化やイスラム圏や
  アラブ世界から、何か情報技術についての貢献があるかもしれません。
  期待したいともおもいます。」と。



 この本で世界史を勉強するつもりは毛頭なかったのですが、
 3日間の講義で、150億年を駆け抜ける・・・このスピード感、
 なかなか良かったです。


西野博道「やずや少数盛栄の奇跡」


 報告が遅くなってしまいましたが、

 20日の夜、セミナーズさんが企画した
 

 「やずや」グループである未来館の西野博道社長の講演会に行ってきました。


 テーマは、

  「やずや少数盛栄の奇跡」

 サブタイトルとして、

  「売上とは、お客様を喜ばせた“ご褒美”」


 全然予備知識なしで行ったのですが、

 西野社長の明快な語り口、とっても良かったです。



 やずやさん、31年前に、アドバンス・ファミリーといういかにも怪しげな社名の
 訪問販売会社として発足。

 業績はあまり芳しくなく、退職金を支払って当時の社員を解雇し、

 昭和63年に、社員3名売上 6000万円から再スタート。

 平成4年 「養生青汁」をオリジナルブランドとして発売し、社員10名 売上2億
 
 平成9年 「にんにく卵黄」発売した時は、社員35名 売上23億

 平成11年 創業者の矢頭社長亡くなる この時、社員45名 売上32億 

 しかし、この後、快進撃が始まる・・・・社員一人一人が自分がやらないと、という課題意識を持って動き始めたから、という。

 平成12年 社員55名 売上60億  一挙に売上倍増

 平成13年 社員55名 売上99億

 で、
 
 平成18年 社員70名 売上460億



 驚くべきことは、

 一人当たり売上6千万円から6億6千万円へ・・・・すごい!

 経常利益率が20%だから、
 一人当たり経常利益額は、1200万円から1億3千万円・・・・すごい、すごすぎる!
 

 このからくりの説明として、

 売上 = 単価 × 数量

 この式を分解してみると、

 売上 = (商品単価 × 購入個数)×(顧客数 × 購買頻度)


 そして、この計算式の要素である

 商品単価、購入個数、購買頻度 は、毎年毎年伸びを期待できない・・あまり無理すると、ファンである顧客まで疲れてしまう


 残るのは、「顧客数」。


 「顧客数」を増やすことが、売上向上に直結する。


 「顧客数」を増やす手段としては、

 チラシとダイレクトメールの徹底した活用。

 
 このチラシとダイレクトメールを活用した「ダイレクトマーケティング」が

 今回お話を聞くまで、

 ここまで再現性のある「科学的手法」であるとは知りませんでした。

 H12から現在までの売上と収益の予測が、狙ったとおり。

 しかも、人を増やさずに。


 「少数盛栄」・・・

 という言葉を見ながら、

 知恵と汗をかくことが必要条件となるのでしょうが、

 「少数」だから「精鋭」化する・・・

 「少数」だからこそ「盛栄」化するのだ、と改めて思いました。

  

 現在、H19年度予算を策定中ですが、数字の遊びにならずに
 売上・収益を向上させるため、
 ビジネスモデルの見直し、コスト構造の見直し、
 プロセス改善、教育投資等々・・・思案半ばだったので、
 全然違う世界を知って、ちょっとびっくり。


スティーブン・レビー「人工生命」

 「ハッカーズ」「マッキントッシュ物語」「暗号化」・・に続いての
レビー(レヴィ)さんの本。

  スティーブン・レビー「ハッカーズ」・・・・ハッカー倫理とその現在
  スティーブン・レビー「マッキントッシュ物語」
  スティーブン・レビー「暗号化 プライバシーを救った反乱者たち」


 何を勘違いしていたのか、てっきり「人工知能」の本だと思い込んでいました。

 読み始めると、
 あれっ、「複雑系」の本ではないですか! と気づく。


 冒頭、 

 「生命とは何か」

 という問いかけがあり、

 生命とは、命があること・・には間違いないものの

 カール・セーガンさん曰く、
 「生命について、一般的に受け入れられている定義はない」とそっけなく、
 
 納得できる明確な定義がないとのこと。

 でも、命があり、自己増殖する能力があること=進化する力があることが必要条件。



 コンピュータの父であるフォン・ノイマンが、
 ガンに冒された最晩年、「オートマトン」=「自動的に動く機械のうち、そのふるまいが確実に数学的に記述できるもの」のこと、について理論化していたこと。

 「人工生命」の研究を通して、
 生物学者であれば、この人工システムを究極の実験動物としてみなして解析をすることができるようになるだろうし、
 物理学者であれば、人工生命を合成することで、複雑な非線型システムの領域の分析ができたり、
エントロピーは増大するという熱力学第2法則に抗する「自己組織化」等のなぞも解明できるのでは、と期待する。

 フォン・ノイマンの自己複製するオートマトン、そして、
 一万年をかけて100万の星を直接探査し、また全銀河を100万年かけて探査を完了するという「フォン・ノイマン生物」の説明を読みながら、まるでSF小説の気分・・・。

 1953年の「生命の起源」に関する「ユーリー-ミラーの実験」・・・
 密閉されたフラスコに、初期の地球の大気に似せたメタン・アンモニア・酸素・水素を成分とした気体の中、海水を沸騰させ、雷を模した電気の火花を飛ばし続けた結果、原始スープの中から、生命の基礎となる「アミノ酸」が生まれた。
 ・・ことを、当時は熱狂を持って受け止められたが、それから数十年経った現在も、誕生したその生命が、より複雑な有機体にどう進化するのかを依然説明できていない、と。

 つまり、
 「人工生命は、最後のかなりのページが切り裂かれた探偵小説のようなもので、もともと生命がどう発生したかをはっきり決定付けるもののはならないだろう」とも。


 コンピュータにおける「人工生命」の典型例が、「コンピュータ・ウィルス」であったこと。
 この「コンピュータ・ウィルス」の特性が、生物特有のふるまいである「自己複製」「代謝」「成長」「適応反応」等をすべて兼ね備えていることも、ブラックユーモアだと思いました。


 人工生命という学問分野を立ち上げた、
 フォン・ノイマン、コンウェー、ウォルフラム、カウフマン、ラングトン、ファーマー、ホランド、ヒリス、レイ、リンデンマイヤー、ブルックス等の先人の足跡がぎっしり詰まっていました。

 ・・・って、1996年刊なので、早や10年、最前線は何処まで行っているのだろうか?




映画「ボビー」

 今日封切りだったので、「不都合の真実」を見た後、続けて見る。

 封切日にもかかわらず・・・映画館は10名ほど?!



 ボビー・・とは、JFKの弟で、元・司法長官のロバート・F・ケネディのこと。


 映画の舞台は、1968年6月5日のカリフォルニアのアンバサダー・ホテル。

 この日は、
 民主党の大統領候補のカリフォルニア州予備選挙の日。

 そして、勝利宣言の直後、暗殺された日。


 ボビー役は、どの俳優が演じるのか・・と思っていましたが、
 ボビーのシーンは、実写フィルムが使われていました。


 あの日、アンバサダー・ホテルに集ったであろう人々を通して、

 1968年の政治状況、社会状況、風俗・・・ベトナム戦争、反戦運動、黒人・ヒスパニック差別、家族関係(夫婦・不倫・父娘・・)、ベースボール、LSD等を織り交ぜて描く。


 サウンド・オブ・サイレンスをBGMに、
 ボビーの暴力についての静かなスピーチが流れる・・

 「暴力が暴力を生み、弾圧は報復をもたらし、
  そしてこの病を我々の魂から取り除くことができるのはただ一つ、
  我々の社会全体を浄化するしかない」

 (オハイオでのスピーチ「心無い暴力の脅威」より)

 
 歴史にもしもはありませんが・・・
 RFKが大統領になっていれば、
 ベトナム戦争も変わっており、現在の世界も変わっていただろうに、
 と思いました。





 映画「不都合な真実」(An Inconvenient Truth)・・・前回紹介してから
行こう行こう・・・と思いつつ、1ヶ月経ってしまいましたが、
見ました。


 アル・ゴアさんによる、地球温暖化についての1時間半の講演記録。

 
 2000年の大統領選に敗れ、大きな打撃を受けたアル・ゴアさん・・・

 それでも前に進むしかない・・・と思う。

 でも、いまの自分に何が残っているのか・・・と問う。


 息子さんが交通事故に遭い、1ヶ月間・・・文字通りカレンダーを忘れて
病院に泊り込み看病を続ける。
 そして、回復・・・。その時思ったのは、大切な子供の命と同様に
大切な地球のこと。


 とりわけ学生の頃から問題意識にあり、政治家になってからも
敵対する政治家から、環境オタクと揶揄され続けた「地球温暖化」問題だった。

 世界中で、1000回以上も行ったという「スライド講演」。

 二酸化炭素の増減と気温の増減のグラフが同期していること。

 そして、そのグラフは右肩上がりになり続けており、
 ここ数十年で急上昇していること。

 温暖化による気温の上昇で、氷河の消滅が相次ぎ、
 海面が上昇する・・・

 ここまで分かりやすく説明されると納得せざるを得ません。


 しかし、
 
 地球温暖化問題を扱った、研究者による論文では、920余全てで、
 温暖化を否定したものが一件もなかったにもかかわらず、

 それが雑誌等で紹介されたとたん、
 約半分が、温暖化しているという考え方もある・可能性がある
 という言い方に変わってしまう。


 これは、政治問題ではなく、モラルの問題なのだ、と。


 国家としては1国で、二酸化炭素を約3分の1を排出する米国。
 京都議定書を批准していない国は、米国とオーストラリアのみ。
 つまり、地球温暖化問題とは、米国問題なのだ、と。

 
 希望としては、
 近い過去に、
 オゾンホールの穴を防ぐため、フロンガス撤廃で世界中が団結し、効果を出しつつあること。
 米国でも、200を越える都市が独自に京都議定書を批准していること。
 

 アル・ゴアさんの姿を見ながら、
 利害の調整のみではない政治家の大切さ、
 その信念を持って行動することの尊さ
 を改めて感じさせられました。


 ・・・職場も、リサイクル、リユース等を実施していますが、
データセンターは24時間365日稼動、サーバを冷却するための空調も同様。
業務ピーク時は、不夜城・・・

 でも、まずは意識を変えるところから、ですね。





杉山隆男「メディアの興亡・下巻」


 「コンピュータの名著・古典100冊」の1冊。

 
 「メディアの興亡・上巻」に引き続き・・


 読み終えて・・・・コンピュータの名著・・・といいながら、

700ページ余の大分の本書、コンピュータ導入による活字・職工の全廃という
「革命」を狂言回しにした
 昭和40年代~52年に毎日新聞が新旧会社に分離するまでの新聞業界史。
 
 コンピュータに関する記述は、感覚として100ページ余(もう少しあるのかもしれませんが)、
残りは、過去に業界首位だった毎日新聞社が経営破綻するまでのバタバタを中心に描いた新聞業界史。

 読売のナベツネさんの若かりし頃からの「じじいキラー」ぶりの紹介はあるものの、
花形記者だった大森実さんが毎日新聞を放逐され、
西山事件で、記者だけでなく新聞社そのものが深い傷を残し、
経営不振のためより厳しくなった労使対立の様子や取締役会の迷走ぶりが
克明に描かれる・・・


 コンピュータ史に関するところは、

 日経新聞社の「アネックス」プロジェクトの構想から立ち上げ・・・そして、
最終的に、全紙面コンピュータによる紙面作りの運用になるまで。

 受注先の米国IBMのプロジェクトチームが、アポロ計画への参画メンバーであり、
軍事技術の転用を図っていたことや、

 発注元の日経新聞社側の経営者からプロマネである技術部門長、そして実際にシステム
を使うオペレーターたち・・各々が何を考えどう行動していたかを描く。

 特に、コンピュータのオペレーターの準備・訓練の姿が・・・
オペレーターの候補生が、英文だけの分厚い仕様書を、辞書片手に
現代の「解体新書」と思いつつ訳出し、コンピュータを使ってレイアウトを決め、
記事や見出しを描いていくところが印象に残りました。


 ベンダーの立場から見ると、
 この時、IBMさんは、日経新聞社とともに「アネックス」プロジェクトを推進する一方、
 日経には秘密裡に、朝日新聞社と「ネルソン」プロジェクトを推進していたこと。

 両社へ話せず、数年間、並行営業かけるあたり・・営業のIBMさんの面目躍如ですね。

 でも、膨大な開発予算考えると、3社合同でのトータルコスト削減は、日経・朝日ともに
必要だったのだと思いました。

 
 後日談としては、
 3社共同開発のシステムの売り込みの結果、IBMが中日新聞・北海道新聞という
ブロック新聞の代表を掌中に収める一方、
後発の国産ベンダーである富士通が、毎日新聞・読売新聞を手がけ、その他の地方紙を
巡って営業合戦が始まったところで終わります。

いま読んでいる
杉山隆男さんの「メディアの興亡」つながり・・・で、

日経から株式投資セミナーのお知らせがきていたこと
思い出したので紹介します。

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あれっ、明日22日が締切日でした。



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杉山隆男「メディアの興亡・上巻」


 「コンピュータの名著・古典100冊」の1冊。

 
 読みながら、コンピュータの名著・・・といいながら、丸っきり新聞業界史・・
じゃないのか(・.・;)???と思う。



 

 「コンピュータで新聞を作る」


 という、コンピュータがここまで発達・普及した現在だと普通に考えられることが、
昭和40年当時、「アポロ宇宙計画に匹敵する難事業」であったこと。

 そして、昭和40年といえば、山陽特殊鋼や山一證券の経営破綻という前年までの好景気から一転した
大不況の真っ最中・・・新聞社もその例外ではなく、
どこも経常利益1~2億/年の頃、全国展開のための営業費増と新社屋建設ラッシュの結果、
毎日新聞社は200億余の借金、日本経済新聞社も100億余の借金を抱え、青息吐息の中で
産声をあげたプロジェクト。


 コンピュータの世界における「革命」とは、
 
 「何かの職種がなくなるような社会に対するインパクト」

のことであると言われるが、

 新聞業界におけるコンピュータ化は、
 無数の活字を拾って新聞のページを作り上げる膨大な数の「職工」を、
文字通りゼロにした、という点で「革命」であったことがわかります。

 そのため、コンピュータの歴史という側面以上に、
4大新聞(読売・朝日・毎日・日経)の全国展開への販売合戦と
それを支えた技術及び労働体制等の新聞業界史の側面の説明が大半を占めました。

 モノタイプ・リモコンから、ファクシミリへ、
 そして、ファクシミリから写植・・を飛ばして、
 コンピュータへ。

 新聞社における技術者がいかに希少な存在であったか

 職工の人件費と労務環境の劣悪さ
 
 
 上巻、終わり道半ばですが・・・
 
 江崎玲於奈さんがいたIBMの研究所のチームが、
 1年半検討した結果、
 「コンピュータで新聞は作れる(可能性がある)」
 と意思表示したところ。



はてさてどうなることやら?! 


杉山隆男「メディアの興亡・下巻」


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