国家情報戦略

佐藤優&コウ・ヨンチョル「国家情報戦略」・・陸軍中野学校の凄さ


 「国家の罠」の感動さめやらぬまま・・もうちょっと読みたくて手に取りました。

 佐藤 優「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」・・卓越した人物観


 元韓国海軍少佐の高さんと、佐藤優さんとの対談本。


 高さんは、友好国である日本への機密情報流出の罪に問われ、実刑判決を受ける。

 
弁護士という存在・・

「弁護士という存在は、自分の弱い立場を判事と検察側に対して説明してくれる人だと

 思っていたのですが、現実はぜんぜん違っていたからです。

 むしろ検察と捜査当局の手先のようなもので、文字通り悪徳弁護士でした。」
 
 ・・ヤメ検の悪徳弁護士にだけは、一生お世話になりたくないと思いました。


刑務所の生活・・

「特殊な環境での厳しい監視や行動を制限されることは、

 人生観が一変するほどの痛みを伴いました。

 しかし、「すべては心構えが左右する」という言葉を胸に耐えることに決めました。

 前向きにならないと、気持ちが折れてしまいますからね。」


プロのスパイの3つの目・・

 空から全体を鳥瞰する「鳥の目」

 顕微鏡をのぞくように焦点を絞る「虫の目」

 潮の流れをキャッチする「魚の目」

 これらを兼備して情報を収集、分析、判断すること

 


陸軍中野学校の凄さ・・

 第二次大戦終了後、アジア各国に残った中野学校出身者たちが、新国家樹立や諜報において

さまざまな指導・影響を与えていたこと。

 そして、その最大の継承者が、北朝鮮の諜報部隊だった・・!

「北朝鮮のスパイ工作機関が優れた工作活動をしているのは、

 日本帝国時代の陸軍中野学校の教科書を使ってスパイ活動のノウハウを覚えたからだ」


 日本人は、欧米のインテリジェンスのキャッチアップをする以上に、

 中野学校や忍者等、日本人自身のルーツ、思考法を

 改めて学ぶことが必要なのかもしれません。





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国家の罠

佐藤 優「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」・・卓越した人物観


 なんという話・・

 事実は小説より奇なり・・のとおり、

 「国家の罠」に落ちた佐藤優さんの512日間の独房生活の回想とともに、

 この裁判が「国策捜査」であったとの氏の見立て・・

 そして、ところどころに出てくる佐藤氏の人物評・・が素晴らしい!

 「佐藤優の罠」にはまってしまいそうです。



鈴木宗男氏とともに、外務省のラスプーチンと呼ばれた佐藤氏への大バッシングの渦中の

逮捕前夜・・

外務省幹部の言葉はこういいます。

「・・日本人の実質識字率は5パーセントだから、新聞は影響力を持たない。

 ワイドショーと週刊誌の中吊り広告で物事は動いていく。」


そして、逮捕。

そこで思い出した

ソ連の政治犯の言葉・・

「強い者の方から与えられる恩恵を受けることは構わない。

 しかし、自分より強い者に対してお願いをしてはダメだ。

 そんなことをすると、内側から自分が崩れる。」

そして、独房生活を始めた佐藤氏の決意・・

「人間はまず内側から崩れる。

 決して自暴自棄になってはいけない。

 常に冷静さを失わないことだ。

 この独房が人生の終着駅ではない。

 最も重要なのは自分との闘いだ」と。



特殊情報を扱っていた佐藤氏の接触していた相手は、ロシア人とイスラエル人が中心・・

この裁判で最も恐れたのは、国益を毀損し、情報提供者を危険に陥れる特殊情報の流出であった。
 
「ロシア人はみなタフネゴシエーターで、なかなか約束をしない。

 しかし、いったん、約束すれば、それを守る。

 また、「友だち」ということばは何よりも重い。

 政治体制の厳しい国では、「友情」が生き抜く上で重要な鍵を握っているのである。」

 ・・友だちを裏切った者は、裁判の結果有無に問わず、無期限で許されることはない。

 だから、この裁判で、個人として沈んだとしても、「友だち」を守りきることを優先する。
 


取調べの担当となった西村尚芳検事の評・・・

「過去の経験則から、私は利害が激しく対立するときに相手とソフトに話ができる

 人物は手強いとの印象をもっている。」

 
大森一志弁護士の第一印象・・

「この弁護士に金銭に対する執着が強くなさそうだ。

 金銭に執着のない者は概して自己顕示欲を抑えることができる。」



「国策捜査は「時代のけじめ」をつけるために必要・・

 時代を転換するために、何か象徴的な事件を作り出して、それを断罪するのです」

では、その「時代のけじめ」とは? 

それは、

 内政のおけるケインズ型公平分配路線 から、ハイエク型傾斜配分路線 への転換

 外交における地政学的国際強調主義 から、排外主義的ナショナリズム への転換

の2つ。この2つの線上に、鈴木宗男氏がいた。



ナショナリズムの特徴・・

「ナショナリズムの世界では、より過激な見解がより正しいことになる。・・

 ナショナリズムは経済が停滞した状況では昂揚し易い。」

「自国・自国民が他国・他民族から受けた痛みはいつまでも覚えているが、

 他国・他民族に対して与えた痛みは忘れてしまう」


 小泉政権の熱狂時、排外主義的なナショナリズムに一気に傾いたことが

なんだか昔のことのように思い出されます。




 小菅にある東京拘置所に収監されている時、佐藤氏の隣の部屋にいたのは、

 浅間山荘の連合赤軍事件により死刑が確定した坂口弘氏でした。

 この坂口氏のエピソードには、泣かされます。

「看守が「面会。お母さんだよ」と言うと、「おふくろ。すぐに行きます」と言って、

 独房から廊下を小走りに面会場の方へ向かって行くうれしそうな隣人の後姿を

 私は一生忘れることはないと思う。」




<目次>
序章 「わが家」にて
第1章 逮捕前夜
第2章 田中真紀子と鈴木宗男の闘い
第3章 作られた疑惑
第4章 「国策捜査」開始
第5章 「時代のけじめ」としての「国策捜査」
第6章 獄中から保釈、そして裁判闘争へ


渋谷

 久しぶりの渋谷・・

 目的は、7月末までの映画チケットを使うため・・


百万円と苦虫女


 蒼井優さん主役の映画「百万円と苦虫女」見ました。

 
 蒼井優さん扮するフリーターの鈴子・・・ひょんなことから

 刑事被告人になってしまう。

 あとは、自分探しならぬ、自分を探さない旅・・


 並行して進行するのは、鈴子の小学生の弟は、激しいいじめに遭う日々・・


 人生そんなに楽じゃない・・でも、折り合いつけていかないといけない、

 ということいいたいのかもしれませんが、

 正直、こんなことわざわざ映画で見たくなかったですね~ܤ
 

 まあ、胸に手を当ててみると、20歳の自分なら・・納得はできないけれど、共感はしていたかもせれませんね~


 でも、海へ、山へ、街へ・・出没する蒼井優さんのロードムービーとしては、

 どの場所でも、大の字になる姿になって・・これが乙女だぁ?!ڤ

 といっているような感じ・・新しい魅力が見れたような気がします。



野蛮人のテーブルマナー

佐藤 優「野蛮人のテーブルマナー」



 インテリジェンスの方法についての本・・

 なんですが、雑誌の連載を集めた感じで、散漫な印象なのが残念。


 テクニック面で印象に残ったのは、

 インテリジェンスの記憶術・・

 「録音せず、視覚と音声を結びつけて、脳内記憶せよ」

 秘密を保全するために一番よい方法は、
 
 「必要のないことを知らないようにすること」

 
 
 北朝鮮との関係については、

 北朝鮮の国家機関による拉致によって、

 日本人の人権侵害と日本国家の国権侵害が発生しており、

 国家としては原状回復は必須であること・・それができない国家は存立する意味がない。

 その上で、

 北を潰した方がいいのか、それとも温存させた方がいいのか。

 朝鮮半島が統一された大韓国ができるシナリオよりも、

 北が生き残って、かつて日本の友好国であった「渤海国」(8-10世紀)にような

 存在にする戦略を考えたほうがいい、と。


 さらに、

 現代の世界構成は、東西冷戦後、帝国主義の時代に入っている。

 核となる国家群がいくつかあって、それらが植民地を獲得していく構図・・

 もちろん、表面上、どの国も帝国主義や植民地などという言葉は使わない。

 
 最後に、印象的だったのは、この一節・・

「自爆テロの最大の敵は何かといえば、

 地元に産業を作られることなんですよ。特に、軽工業、衣料とか食品。
 
 対テロに一番効果的なのは、食い物がちゃんとある体制作りです。

 だから高カロリーのラーメンを製造する工場と肉の缶詰工場を作る。

 健康面を考えて、ビタミン工場もあったほうがいいかな。

 やっぱり食い物は強いですよ。

 食料がちゃんとあれば、命を賭けてまでの義憤はでてこない。」

 鋭い指摘・・でも、そうだとすると、

 原油等資源高騰で、食料高騰のいまの流れは、決して放置できないですね。




<目次>
第1章 野蛮人のテーブルマナー―情報戦を勝ち抜くテクニック
(インテリジェンス式接待;情報源(ソース)の見つけ方
 酒、賭博、セックスの使い方 ほか)
第2章 外 交は究極のビジネススクール―過酷な外交の世界に学ぶビジネスマナー
 特別対談・鈴木宗男(衆議院議員)×佐藤優
(トップと会うには?
 トップ会談をセットアップせよ
 トップに仕えるノウハウ ほか)
第3章 インテリジェンス対談―佐藤優×河合洋一郎(国際ジャーナリスト)
(映画以上に恐ろしいインテリジェンスの世界
 安倍政権樹立後の日本外交―2006年9月27日
 6ヵ国協議直後のパワーゲーム―2007年2月15日 ほか)


インテリジェンス武器なき戦争

「インテリジェンス 武器なき戦争」手嶋 龍一&佐藤 優



 先週、佐藤優さんに本購入時にサインしていただいたので、

 サイン本読む前に、ちょっと肩慣らし・・


 秘密情報の98%は、公開情報を再整理することによって得られる。

 外交は、武器を使わない戦争。

 インテリジェンスは、この戦いに不可欠な武器。

 1.諜報 : ポジティブ・インテリジェンス
 2.防諜 : カウンター・インテリジェンス
 3.宣伝
 4.謀略 
 
 日本は、複数の分断された組織によって、2の防諜に特化しており、

 国力に見合った世界第二位レベルのインテリジェンスが発揮できていない。

 

 ネオコンが、ニューヨーク市立大学出身のトロツキスト・グループで、

 世界革命思想・・自由民主主義革命路線の信奉者である、とか、

 その存在の登場を1985年時点で予言したのが、
 
 ドイツの社会哲学者ハーバーマスであったことを引き、

 学術的な基礎体力の必要性を説きます。

  ユルゲン・ハーバーマス「新たなる不透明性」


 チェチェン紛争については、独立派に対するロシア国内の人権侵害云々とも

 いわれましたが、その本質は、

 911テロに先立ってイスラム原理主義の橋頭堡になりかけたのを、

 プーチンが徹底して排除したこと・・

 この背景にあるイスラムとその国家の理解のために、

  アーネスト・ゲルナー「民族とナショナリズム」

  岩波文庫の「コーラン」

  オックスフォード出版「イスラム・真っすぐな道」
  (John L. Esposite, Islam : The Straight Path)

 の3冊を挙げています。
  


 本書を通して、

 インテリジェント・オフィサーとトータルなインテリジェンス推進組織の必要性を痛感するのでした。



<目次>
序章 インテリジェンス・オフィサーの誕生
(インテリジェンスは獣道にあり
 情報のプロは「知っていた」と言わない ほか)
第1章 インテリジェンス大国の条件
(イスラエルにおける佐藤ラスプーチン
 外務省の禁じ手リーク発端となった「国策捜査」 ほか)
第2章 ニッポン・インテリジェンスその三大事件
(TOKYOは魅惑のインテリジェンス都市
 七通のモスクワ発緊急電 ほか)
第3章 日本は外交大国たりえるか
(チェチェン紛争―ラスプーチン事件の発端
 すたれゆく「官僚道」 ほか)
第4章 ニッポン・インテリジェンス大国への道
(情報評価スタッフ―情報機関の要
 イスラエルで生まれた「悪魔の弁護人」 ほか)


大森で映画見終わって、日が高かったので、

隣駅の蒲田の西六郷公園・・・通称、タイヤ公園へ足を延ばす。

 横浜に住んでいたころ、5年ほど毎朝、通勤時眺めていたのですが、

初めて・・でした。

 一昨年の映画「やわらかい生活」でも、いい感じで使われていました。

 やわらかい生活・・・金魚の話よいね!


タイヤ公園


タイヤ公園


タイヤ公園といえば・・この巨大恐竜ですね!

タイヤ公園


 今朝は、大森の流通センターへ、服の買出しへ・・・

 ワイシャツと靴下等を手に入れましたが、その間、15分?!

 その後、家族が買い物終えるまで、1時間余、建物の入り口で読書・・(^_^.)


崖の上のポニョ
 
 
 近くの大森駅前で、先週封切の映画「崖の上のポニョ」がやっていたので

見に行く。映画館に着いたら、残り2席・・ついてました!

 館内は、半分以上が夏休み初日の子供達でした。


 以下、ネタバレはしていませんが、

 これからご覧になる予定の方は、先入観持たないために読まないほうがよいです。




 予告編の歌が耳について離れないのと、

 少年と魚のポニョの友情話・・ぐらいに思って見始めましたが、

 ちょっと、いえ、とってもびっくり・・

 奇想天外の話でした。

 
 部分部分の描写がリアルで、

 そこにアニメだから・・という前提を積み上げて見ている人に、
 
 こんなこともあるか~と思わせつつ、

 でも、その結果、飛んでもないところに連れていかれた気分でした。


 今回も、宮崎監督の一日20時間×3年間の成果がこれか~、

 とちょっと感動。

 先週以来、脳の話を手にとっていますが、

 日常の頭の使い方では思いもつかない展開・・

 
 でも、映画館に初めてきたという隣の席の子供たちが、

 笑いながら、疾走する画面に釘付けになっているのを感じながら、

 大人の理屈じゃない世界を、狙って作れる宮崎監督って・・凄すぎます。





Mindパフォーマンスhacks

「Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル」Ron Hale-Evans


 「Mind Hacks」の続編の位置づけです。

  「Mind Hacks―実験で知る脳と心のシステム」トム・スタッフォード&マット・ウェッブ

 「Mind Hacks」の著者も一部参加していて、一部内容被るところありますが、
 
 脳と心のためのシステムを踏まえた「ユーザーマニュアル」。

 75のハックが紹介されているので、気にいったものだけでも、お腹一杯になります。



○アイデアを捕まえる法

 まずは紙とペンを、いつでもどこでも持ち歩く生活をする。

 定期的に、集まったアイデアを見返し、分類する。

 分類作業では、はじめ、アイデアそのものは見ずに、「テーマ」の列だけ見る。

 
 分類作業のために、別の紙を用意する。
 
 1つのテーマごとに紙を1枚使う。

 紙には、はじめにテーマを書き、それをタイトルとする。

 テーマごとの紙ができたら、日々持ち歩いている紙から該当するテーマのアイデアを
 転記していく。


 次に、アイデアの傾向性を見てみる。

 アイデアどうしに関連性はないか、なども見てみる。

 すると、「自分の思考の穴」のようなものが見えてくる。

 アイデアの関連性の「地図」・・マインドマップにしてみる。


 すると、何かが見えてくる。

 ばらばらだった思考が1つにまとまることによって、

 自分で発見したことに自分で驚くことになる。


 マインドマップの良さは、
 
 配置の作業の中で、個々の思考の、他の思考との関係、

 他の思考の中での位置づけを、逐一考えることにある。
 


○独り言

 「言語は他人と話をするだけのものではない。

  言語は、脳内で異なった種類の情報を結びつける際に

  重要な役割を果たす。」


 人は、難しい作業をする際に、自らに指示を与えるために、独り言をいう・・

 それは以下の理由で正しい。

「誰かに、複数の情報を利用した推論を必要とする目標の明確な作業を頼む場合には、

 途中で言語能力を要する別の作業(言葉を聴く、話すといったことに関する作業)

 をさせてはいけない」

 ・・通りなれていない道を車で走る場合には、会話をやめ、ラジオを切ること。

「複数の作業を同時に進行させる際は、利用する情報の種類が複数にならない方が

 進行が容易になる」



○脳のドーピング薬

 ・アンフェタミン

 ・モダフィニル

 ・アンパキン

 ・MEM1003


 もう少し、穏便なところで・・

 ・ブドウ糖

 ・イチョウ

 ・チューインガム

 ・チロシン

 ・朝鮮人参


 でも、サプリメント好きじゃないのですね~


<目次>
クレジット
はじめに
1章 記憶
2章 情報の処理
3章 創造力
4章 数学
5章 意志決定
6章 コミュニケーション
7章 明晰さ
8章 知性の健康
付録 プログラム集
索引
訳者あとがき



Mind hacks

「Mind Hacks―実験で知る脳と心のシステム」トム・スタッフォード&マット・ウェッブ



 「ユーザーセントリック(ユーザー中心)」な脳の解説書

 脳を知るための方法を知り、

 脳の法則を知る・・

 そして、脳をハッキングするための方法を知るための本・・

 脳は10%しか使われていないという「10%の神話」や、

 「論理の左脳」「直感の右脳」といえる根拠の乏しさ等、

 100のハック・・読みやすいですが、とっても硬派でした。



 1つ目のハックは、「脳のはたらきを外から調べる」方法。

 EEG(Electroencephalogram):脳電図

 PET(Position Emission Tomography):陽電子放射断層撮影法

 fMRI(Funtional Magnetic Resonance Imaging):機能的磁気共鳴影像法

 TMS(Transcranial Magnetic Stimulation):経頭蓋磁気刺激


○「10%の神話」

 「人間の脳の10%しか使っていない」

 ・・でも、進化論の観点からみると、真実とは考えがたい。
 
 人間の脳は非常に「コスト」が高い組織であること。

 全体重の2%の重さの脳が、血液と酸素の約20%を消費する。

 にもかかわらず、90%が役に立たないなどいうことはありえない。

 
○感覚性ホムンクルス、運動性ホムンクルス

 まずはこちらをクリックしていただければ・・

 Motor/Sensory Homunculus

 右側が、感覚性ホムンクルス

 左側が、運動性ホムンクルス ・・当然のことながら、手と足が、感覚性よりも大きい
 

○能動的な視覚

「我々が普段見ている「世界像」は、一定の時間をかけて(あるいは複数の感覚情報を使って)

 行われた「サンプリング(標本化)」の作業によって作り上げられたもの」
 

○動かないものを動かす

 「蛇の回転」等、固視微動によって、動いているように見える「自動運動現象」・・

 北岡明佳の錯視のページ 


○テレビゲームによる訓練

 「サビタイジング」とは、1つひとつ数えることなく、目に見えている物の数を把握すること。

 テレビゲームをしない被験者が、平均3.3だったのに対して、

 ゲーマーは、平均4.9と、5割アップした。


○見ることの効果

「視覚情報は触感に非常に大きな影響を与える。」

 暗闇でも、体の特定の部分を見ると、その部分は他の部分に比べて、感覚が鋭敏になる。


○記憶

 偽物の記憶・・人は覚えてもいないことを、「思い出す」ことがある。

 
 「脳は、得られた情報を1つひとつ個別に蓄積しているわけではない。・・

  記憶は、脳の中では、関連する情報どうしをつないだネットワークになっている。」

 「記憶データは、どれも他から独立して保存されることはなく、

  すべて他の記憶データと結び付けられている。」


「「再学習」の効果は、自分が意識して覚えたことそのものだけでなく、

 それに関連することすべてに及ぶ、

 再学習したことと関連のあることはすべて思い出しやすくなるのである。」


○想像力によるトレーニング

 「想像による訓練で向上できるのは力の強さだけではない。

  体の動きの調整も頭の中で訓練するだけでうまくなる。」

 まさに、「マトリックス」の世界・・すごすぎる話!!
  
 

<目次>
1章 脳の構造
2章 視覚
3章 注意
4章 聴覚と言語
5章 感覚どうしの関係
6章 運動
7章 推論
8章 構造を知る
9章 記憶
10章 他者との関係


記憶力を強くする

池谷 裕二「記憶力を強くする―最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方」



○脳についてのTIPS

 脳の重さは、1200グラムから1400グラム

 体重の2%程度を占めるにすぎない

 にもかわらず、

 酸素やグルコース(ブドウ糖)等のエネルギー源は、全身の20-25%も消費する。

 
 脳の複雑な働きは、

 脳に含まれる約1000億個の「神経細胞(ニューロン)」によって営まれている。

 
 神経細胞どうしの接点を「シナプス」といい、

 1つの神経細胞が、1万個の神経細胞と神経回路を作っているため、

 シナプスの総数は、1000兆個に及ぶ。


 ここの神経細胞は、1分間に数百から数万回の連絡をやりとりする。



 神経細胞は、一日に数万個・・1秒に1個くらいのペースで死んでいる。

 脳の重さは、生まれてから70歳になるまでに、約5%減る。


 原則、神経細胞は、他の細胞と異なり、増殖しない。

 理由は、「個の個性」を保ち続けるため。


 でも、例外として、

 「海馬」の神経細胞は増殖する。

 たとえば、迷路のようなロンドンを走るタクシー運転手の海馬は、

 30年で、3%・・神経細胞の数にして20%も、膨らむことがわかった。



○脳の「可塑性」

 脳には、あるきっかけにしたがって変化を起こし、

 この変化を保ち続けるという性質があること。

 
 記憶することは、

 神経細胞のつながり方が変化することなのです。

 脳の可塑性は、新しい神経回路の形成によって起こる。
 


○記憶の種類

 スクワイアの記憶分類
 
1.短期記憶 30秒から数分以内に消える記憶。マジックナンバー7

2.長期記憶

2.1.エピソード記憶 個人の思い出

2.2.意味記憶 知識

2.3.手続き記憶 体で覚えるものごとの手順(How to)

2.4.プライミング記憶 勘違いのもと? サブリミナル効果

 1.短期記憶と、2.1.エピソード記憶は、「顕在記憶」、

 残りは、「潜在記憶」。



○記憶の3箇条

1.何度も失敗を繰り返して憶えるべし

2.きちんと手順を踏んで憶えるべし

3.まずは大きく捉えるべし

 ちがいの大きなものを区別できるようになってからでないと、

 小さいものを区別できるようにならない

○オペラント学習

 結局、憶えるということは、「努力」と「根気」であること。


○能率的な復習スケジュール

 海馬は、記憶の一時的な保管場所。

 この保管場所では、記憶が整理整頓され、

 何が「必要」で、何が「不要」かが吟味される。

 海馬に記憶が保管されている期間は、長くて1ヶ月・・

 この1ヶ月が、復習の絶好のチャンス・・このタイミングを逃すと、

 復習の効果を得られなくなる。


 忘却曲線を考慮した、もっとも能率的な復習スケジュールは、

 まず1週間後に1回目、

 つぎに、この復習から2週間後に2回目、

 最後に、2回目の復習から1ヵ月後に3回目。

 2ヶ月かけて3回行うと、海馬がその情報を必要な記憶と判断してくれる。



○夢は「記憶」の再生

 夢は、昼間あったことを思いおこすという行為

 夢は、脳の情報を整え、記憶を強化するために必須な過程


 憶えた日に、6時間以上寝ることがかかせない。

 徹夜で覚えた知識は、側頭葉に刻まれず、数日で消えてしまう。

 



 歳をとって、エピソード記憶が発達してくると、
 
 丸暗記よりも、むしろ論理だった記憶能力がよく発達してきます。

 したがって、勉強方法も、そうした方針に変えていく必要がある。
 




<目次>
第1章 脳科学から見た記憶
第2章 記憶の司令塔「海馬」
第3章 脳とコンピューターはどちらが優秀なのか?
第4章 「可塑性」―脳が記憶できるわけ
第5章 脳のメモリー素子「LTP」
第6章 科学的に記憶力を鍛えよう
第7章 記憶力を増強する魔法の薬
第8章 脳科学の未来




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