世界は分けてもわからない

福岡伸一「世界は分けてもわからない」

2009年刊


 福岡伸一「生物と無生物のあいだ」の続編。


 実は、先日、福岡先生の講演を聴いたのですが、

 静かな語りの中に熱い情熱・・素晴らしかったです。



 物事を見る・・と一口に言うが、

 日頃何気なく見ている景色も、
 
 ズームアウトしてみてもズームインしてみても、

 1桁以上変わると、そこには想像もしない世界が出現する。


「もし顕微鏡の倍率を十倍だけ上げると何が起こるか?

 それは視野が暗転するということである。

 そしてさらに重要な事実は、もともと見えていた視野のうち

 99%はその光とともに失われてしまったということである。」

 
 夜空を見上げて、私たちに北斗七星が見えるのは、

 ほどほどの視力を持っているからにすぎない。

 もし10倍の視力があれば、7つではなく、数十か数百の星が目撃され、

 ひしゃくのかたちはどこにもなくなる。逆もまた同じ。
 



 なぜ勉強するのか?


 私たちは、本当は無関係なことがらに、因果関係を付与しがちである。

 もともとランダムに推移する自然現象を無理にでも関連づけることが

 安心につながるからだし、また、世界を図式化し単純化することが、
 
 わかることだと思えたから。

「世界は分けないとわからない。

 しかし分けてもほんとうにわかったことにはならない。」

「滑らかに見えるものは、実は毛羽立っている。

 毛羽立って見えるものは、実は限りなく滑らかなのだ。

 そのリアルなありようを知るために、

 私たちは勉強しなければならない。」



 本書、後半の8章以降は、加速度がつきます。

 それは、衝撃のスペンサー事件の発生・・

 そして、その後の虚脱感・・

 残ったものは、「動的平衡」という自然の摂理



 
 『動的平衡』も手に入れたので、これから読むのが楽しみです。



<目次>
プロローグ パドヴァ、2002年6月
第1章 ランゲルハンス島、1869年2月
第2章 ヴェネツィア、2002年6月
第3章 相模原、2008年6月
第4章 ES細胞とガン細胞
第5章 トランス・プランテーション
第6章 細胞のなかの墓場
第7章 脳のなかの古い水路
第8章 ニューヨーク州イサカ、1980年1月
第9章 細胞の指紋を求めて
第10章 スペクターの神業
第11章 天空の城に建築学のルールはいらない
第12章 治すすべのない病
エピローグ かすみゆく星座

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幸せな経済自由人という生き方(ライフスタイル編)

本田健「幸せな経済自由人という生き方 ライフスタイル編」(ゴマ文庫)


○人生のソフトウェアをアップグレードしよう


 「人生、男女関係、お金、仕事」等に関するあなたの人生のOSは、

 いつ・誰によってインストールされたものだろうか?

 そして、

 あなたが最後にOSのアップデートをしたのは

 いつ・どの分野についてだろうか?

 ビジネスやお金に関するソフトウェアは毎月更新している人でも、

 恋愛や友情のソフトは小学校からそのままかもしれない。

 すべての分野のソフトウェアの更新と、

 ウィルスチェックを忘れずに! とのアドバイス、いいですね~



○自分の未来にワクワクしよう


 たとえ60歳になっても、
 
 「あの人には明日がある」「あの人には見所があり、将来が楽しみだ」

 といわれる可能性を拡げる生き方をする。



○見返りを期待せずに、ご馳走しよう


 人にご馳走することは、世の中を少しだけ良くする・・ペイ・フォワードになる。

 「おいしいご飯をご馳走してもらったら、

  どんな人でも嫌いになれない」

 
 平素、定例のパワーランチだけでなく、
 タイミングのあう人と、外で食事をするよう心がけていますが、
 より意識的にしてみたいと思います。
 

20世紀少年<最終章>


 午後一番選挙へ

 最寄の投票所は、入り口は車が駐車待ちで渋滞、

 投票所も50人以上の行列ができていました。

 いつも閑散としているのに、今回は違いますね。

 でも、ニュース見ると、意外なことに投票率はまだ50%も行っていないとは・・
 

 選挙投票後、昨日封切った

 映画「20世紀少年<最終章>ぼくらの旗」を見に行きました。



 前作までの「よげんの書」「しんよげんの書」の2冊で

 大いに風呂敷を広げましたが、その結末やいかに?

 
 「ともだち」の正体にも興味津々でした!




 以下、ネタバレではないですが、

 これからご覧になる方はご注意願います。






 
 しかし、残念ながら、

 原作を圧縮しているせいか、ご都合主義に感じることしきり・・


 エンドロール後の説明だけでは、

 その後の「ともだち」と友民党の連中の行為は免罪できず・・

 もはや誰が「ともだち」でも言い訳無用、

 はっきりいって、やり過ぎでした。



 トヨエツ引退・・とあったので、

 「21世紀少年」のオファーがあっても受けない・・ということか、と思いましたڤ


きっと、よくなる!(2(「お金と仕事」編))

本田健「きっと、よくなる! 2」

2007年刊



○トラブルはチャンス

 仕事、お金、健康、人間関係のトラブルは、

 人生がよくなっていくためのサイン

 人生最大の危機は、最大のご褒美となる


 ・・・な~んて、まさに立ち上げようとしているプロジェクトへ取り組む
 気持ちを新たにしているのでした(^_^.)

 




○幸せに生きるための8つの勇気

 1.自分らしく生きる勇気

 2.最悪の可能性をみる勇気

   先行き不安を感じることから逃げず、最悪の事態を想定しておく。

   「たぶん死にはしないな」って? 

   でも、半端な気持ちでいると、確実にやられるので、
   用意周到・準備万端&献身&覚悟が必要だと思います。

 3.最高の自分に出会う勇気

 4.自分の欲しいものを明確にする勇気

 5.果敢に行動する勇気

 6.まわりの人より先に行く勇気

 7.変化を恐れない勇気

 8.愛情を表現する勇気



○仕事の報酬

 「生活のためにやっている」という人は、

  仕事から、5分の1しか報酬を得ていない。


 1.経験

 2.やりがい

 3.感謝

 4.つながり

 5.お金



○質問力

 苦境に陥ったときの質問

 ○ こういう状況で何をすればいいのか?

 × この後、どんなひどいことが起きる可能性があるんだろう?

 × 何で俺は、こんなにダメなんだろう?

 

○ツキを保つ法

 1.自分のまわりを大好きなもので満たす

 2.自分の大好きなことをやって時間を過ごす

 3.運のいい人とつきあう

 4.人を日常的に喜ばせる

 5.感謝する
 




「人生でいちばん怖いことのひとつは、

 失敗ではなくて、

 すばらしい人生を生きることだ」




漱石文明論集

夏目漱石「漱石文明論集」三好行雄編(岩波文庫)



 大正3年11月25日、学習院にて、

 「私の個人主義」というテーマでの講演・・




『坊ちゃん』の種明かし?


 「『坊ちゃん』の中に赤シャツという渾名を有った人があるが、

  あれは一体誰の事だと私はその時分よく訊かれたものです。

  誰のことだって、当時その中学に文学士といったら私一人なのですから、

  もし『坊ちゃん』の中の人物を一々実在のものと認めるならば、

  赤シャツは即ちこういう私の事にならなければならんで、 -

  甚だ有難い仕合せと申し上げたいような訳になります。」




迷いに迷った漱石の起死回生・・

 それは、「自己本位」と境地

 「私はこの自己本位という言葉を自分の手に握ってから大変強くなりました。・・

  今まで茫然と自失していた私に、此所に立って、この道からこう行かなければならないと

  指図をしてくれたものは実にこの自我本位の四字なのであります。」

  ・・あれっ? 「自己本位」が「自我本位」になってますが、以降は再び「自己本位」に
  なっています。


 「・・何かに打ち当るまで行くという事は、学問をする人、教育を受ける人が、

  生涯の仕事としても、あるいは十年、二十年の仕事としても、必要じゃないでしょうか。

  ああ此処におれの進むべき道があった!

  漸く掘り当てた!

  こういう感投詞を心の底から叫び出される時、あなたがたは始めて心を安んずる事が

  出来るのでしょう。」



漱石文明論集

夏目漱石「漱石文明論集」三好行雄編(岩波文庫)


 明治44年8月、堺にて、「中味と形式」というテーマでの講演・・



 中味が伴っていなければ、いくら形式を整えても、落ち着かないもの。

 誰であっても、それは当の自分が一番知っている。

 安普請の明治の開化は、いまだ継続中・・ということでしょうか?



「・・現今日本の社会状態というものはどうかと考えてみると目下非常な勢いで変わりつつある。

 それにつれて我々の内面生活というものもまた、刻々と非常な勢いで変りつつある。

 瞬時の休息なく運転しつつ進んでいる。

 だから今日の社会状態と、二十年前、三十年前の社会状態とは、大変趣きが違っている。

 違っているからして、我々の内面生活も違っている。

 既に内面生活が違っているとすれば、それを統一する形式というのも、
 
 自然ズレて来なければならない。もしその形式をズラさないで、元のままに据えて置いて、

 そうしてどこまでもその中に我々のこの変化しつつある生活の内容を押込めようとするならば

 失敗するのは眼に見えている。」



漱石文明論集

夏目漱石「漱石文明論集」三好行雄編(岩波文庫)



 漱石の講演記録・・・肉声はわからないものの、漱石先生の語り口が伝わってきます。

 7つの講演が再現されています。


○現代日本の開化

 開化は、人間活力の発現の経路である。

 開化によって、ノータイム、ノーコスト、ノースペースの世界に近づき、

 生活は便利になるが、

 私たちが「生存の苦痛」が少なくなったわけではない。

 外発的なことが発展することで、内発的なものが発展すると考えるのは、

 「皮相上滑り」なことである、

 ・・現代にも通じるお話



<目次>
現代日本の開化
中味と形式
文芸と道徳
私の個人主義
模倣と独立
無題
教育と文芸

『東洋美術図譜』
イズムの功過
博士問題とマードック先生と余〔ほか〕



本田健「ちょハピ!」

2006年刊



 本屋さんを歩いていて、本田健さんのHPに掲載されている

 「ちょハピ!」の本が目に留まったので、思わず衝動買い。

 

 言葉とイラストが一体となった一枚一枚のカード

 をめくるのがなんとも楽しいですね~ޥ
 


 
 手放さないと 受け取れない


 家庭に 能率を 持ち込まない


 大きくなることが エライわけではない


 年のせいにしない


 人生では 自分の好きなものを注文しよう


不安な漱石&資質をめぐる漱石・・吉本隆明「夏目漱石を読む」




『門』

 
 会社を休んで、座禅に逃げ込んだ悩み・・

「かんがえつめたあげくに問題を乗り越えたというのではなくて、

 偶然にそれを解決してくれたみたいなかたちで、

 その問題が解けてしまうのです。」



『彼岸過迄』


 主人公の須永には、漱石の主な主人公が負う資質が全部かぶせられている。
 
 また、その資質は漱石自身のものでもあった。



『行人』

 三角関係へのこだわり・・


 「僕の解釈は、漱石の資質の病気だろう、というものです。」

 それは、パラノイア性の病気であり、

 原因は、乳胎児体験からきている。



○資質をめぐる漱石


『明暗』

 他の作品と違って、未知感を多様にさせている。

 どの登場人物をも、相対的な目でながめるという視点を獲得した

 漱石にとって初めて小説らしい小説、といえる。 


夏目漱石を読む



青春物語の漱石・・吉本隆明「夏目漱石を読む」


○青春物語の漱石

『坊っちゃん』


 1つは、典型的な日本の悪童物語を書いたものであり、

 もう1つは、実際に松山中学へ赴任した漱石自身の体験を書いたもの

 赤シャツと、坊っちゃん双方とも、漱石自身が投影されている。

 

『虞美人草』

 
 留学中の漱石の悩み・・

 東洋の文学は、自然と人間のあいだのやりとりがテーマであり、

 西洋の文学は、人間と人間との葛藤の仕方・関係が文学の根本的テーマであり、

 まるで違うもの。

 しかし、漱石は、「ほんとうの文学」なるものを考え、突き詰め、神経衰弱になる。



 『虞美人草』には、「文学とはもともとこういうものだったんだという感じが

 油然とわいてきます。」

 

『三四郎』


 漱石自身は、広田先生のなかに一番、投影されている。

 最終的には、『こころ』の先生のように自殺してしまうかもしれない
 あやうさがある。
 



夏目漱石を読む

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