ブナ林に生きる

太田威「ブナ林に生きる―山人(やまんど)の四季」

平凡社

1994年刊

 
 ブナ林の四季にあわせた山仕事にいきる山人(やまんど)・・

 朝日連峰での山住みの人々の生活を紹介したものですが、

 その具体的な様子は圧倒的でしたӤä


 農作業
 狩猟
 木こり
 炭焼き
 養蚕
 川漁
 山菜採り
 キノコ狩り
 土器作り
 シナ布織り
 

 ブナ原生林から流れ出る有機物やミネラルを多く含んだ水・・

 庄内平野のおいしい米の産地となる。



 クマタカ猟・・

 最後のクマタカは、1983(昭和58)年に死に、
 クマタカを巣子から一人前の狩りをするクマタカに仕上げる伝統技術を持った人も
 1992(平成4)年に亡くなった。


 熊狩り・・

「熊の毛皮はよくなめして敷物にし、
 肉は貴重な動物蛋白源として食べられ、
 脳味噌は釜で蒸し焼きにし、
 薬研で粉末にして頭の薬や血圧の薬にした。

 血はそのまま瓶などに保存したり、
 乾燥させて保存し、年寄りの血圧降下などに効果があり、
 大きい骨は砕いて黒焼きにし神経痛や打ち身の塗り薬にした。
 
 牙は一本ずつ抜きとり、さまざまな飾りに利用した。

 腸は「百ひろ」と呼ばれ、乾燥させて女性の安産のお守りとして腰に巻いたりし、
 また熊の肝を包む紙替わりにもしあ。 ・・

 レンゲと呼ばれる肝臓は貧血によく効くとされ、焼いて食べた。

 面白いのは、冬眠中に大便の栓の役割を果たしてきた固い便は
 松脂の成分が多く、「ツッペー」という名で呼ばれて血圧の薬になっていたことである。
 脂肪は皮膚の荒れやかぶれ防止などに利用し、
 また小さな切り傷などに塗る軟膏でもあった。」

 

 ブナのあがりこ・・

 大小のこぶを持ち、大きな枝を空に向けて伸ばしている奇怪なブナの大木
 




<目次>




森が支えた仕事と暮らし



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ブナ林からの贈りもの

熊谷榧&石橋睦美「ブナ林からの贈りもの」

世界文化社

1993年刊


 東北の美しい森・・

 白神山地だけは、昨年半日歩きましたが、

 八幡平、鳥海山、朝日連峰など、ゆっくり歩いてみたいです。




≪ブナはブナ科ブナ属の落葉高木。

 日本にはブナ(シロブナ)とイヌブナ(クロブナ)がある。

 仲間は世界に六属ないし九属、700種ほど。

 日本にはブナ属のほか、クリ属、マテバシイ属、コナラ属、シイノキ属などがある。≫
≪“ブナの森”といえば、ブナをはじめ、

 ミズナラ、カツラ、ホオノキ、トチノキ、イタヤカエデ、サワグルミなどとの混交林がほとんど。


 その森は動植物の宝庫である。豊かな生命を育む森なのだ。・・


 この森自体が天然のダムの役割を果たし、水害や旱魃を防いでもきたのである。≫

 

≪ブナはかつて“ブナ退治”といわれるほどに伐採された時期があったようだ。

 スギやヒノキなどに比べると狂いが生じやすく、木目も美しくなく、腐りやすい木

 だからが理由である。≫

 伐られたブナは炭や紙の原料にされた。



鳥海山・・

≪「魚付き林(うおつきりん)」という言葉がある。

 昔から漁師の間では知られた言葉だそうだが、森の存在が海の魚介類の棲息と

 深くかかわっている、というのである。

 よい森があるところほど、海の幸にも恵まれる図式らしい。≫


 昭和33(1958)年からの急速な伐採により、現在では往時の2割を残すに
 すぎない。

 
朝日連峰・・

 すでに8割近くが伐られたいま・・

 特に高いところは、修復に500年から1000年くらいかかり、

 750メートルぐらいまでなら、30年ほどすればブナも生え、森も再生される。

 

 石橋さんのブナ林の写真が美しいですね~




<目次>
第1部 原生林をゆく―東北のブナ林
第2部 雪国の森と人と―日本海側のブナ林
第3部 山里の「森」便り―内陸のブナ林
第4部 黒潮の風が届く―太平洋側のブナ林


照葉樹林文化とは何か

々木高明「照葉樹林文化とは何か―東アジアの森が生み出した文明」(中公新書)

中央公論新社

2007年刊


 照葉樹林文化・・「大いなる仮説」


「照葉樹林文化の文化的特色を一つ一つ確定していくプロセスは、

 このようにフィールド・ワークで蓄積した知識」と、研究者からの情報が

 相互に重なり合い、関連しあいながら進行したものだった。



 地中海の硬葉樹林文化に対する、
 東アジアの照葉樹林文化
 
 稲作文化は、それ以前にあった照葉樹林文化をベースに発展した。



 照葉樹林文化は、

「≪雑穀・根栽型≫の焼畑農耕やモチ種作物の開発と利用をはじめ、

 ナットウや麹酒(こうじざけ)の製作、

 飲茶(いんちゃ)の慣行、

 吊り壁と高床の家屋、

 桑を食べない蚕の文化、

 漆と竹細工の文化、

 さらには

 歌垣の習俗や
 
 山の神信仰、

 天の羽衣その他の昔話や神話の類似、

 そのほか、きわめて多岐にわたる共通の文化的特色の存在によって
 特徴づけられるものである。」



 照葉樹林文化のセンター・・コア地域

 ブータン・アッサムから雲南・貴州・湖南の一部に至る

 いわゆる「東亜半月弧」地域







<目次>
第1部 照葉樹林文化とは―目で見る照葉樹林文化
(照葉樹林帯とその生業
 照葉樹林帯の食文化
 さまざまな文化の共通性)
第2部 照葉樹林文化論の成立・展開と日本文化の形成
(照葉樹林文化論の成立―その背後にあるもの
 照葉樹林文化論の展開
 照葉樹林文化と稲作文化
 日本文化の形成と照葉樹林文化)
第3部 討論 照葉樹林文化と稲作文化をめぐって
(照葉樹林文化論と稲作文化―問題提起に代えて
 イネを生み出した前提条件はなにか
 栽培稲の誕生
 長江中流域か下流域か
 照葉樹林文化と稲作文化の位置付け
 長江文明の稲作の実態
 照葉樹林文化論の検証)


勝ち続ける力

羽生善治&柳瀬尚紀「勝ち続ける力」

新潮社

2009年刊


 印象に残る羽生さんの言葉・・

≪記憶のために時間を費やすのならば、違うことに時間を費やした方がいいと思います。

 年齢が上がることによって、覚えることより、創造的なことや総合的なこと、

 つまり、漠然としたものを何となく把握するとか、曖昧なことを理解してツボを

 押さえるとか、そういう能力が長けてくるんですよ。≫



≪考えることは、すごい熱を消費するものです。≫

≪すごく考えていると、熱くなるという感じがありますね。
 
 だから、熱を消費しているんですよ。≫

 一日で、びっくりするぐらい体重も減る。



≪将棋は、盤面にたくさんく選択肢がありますが、そのうち、ほとんどの選択肢は
 
 マイナスの手なんです。つまり、その手は指さない方がよかった、という選択肢

 だらけということです。≫

≪なぜマイナス選択しかなくなるかというと、将棋の場合は、プラスになることを

 積み重ねていくと、最後にそうなるんです。最初の、駒をあまり動かしていない状況ならば、

 プラスの手段はたくさんあります。でも、プラスの手を積み重ねてゆくうちに、

 いつかある飽和点に来るでしょう。≫




≪データを集めて、分析して対策を立てたりするのは、力のない秀才がやることであり、

 つまり、弱者の戦略と考えられていた時代が長かったんです。≫




<目次>
第1局 勝つために忘れる
(プロ棋士は「天才集団」
 羽生善治という存在
 だんだん人間が追いつけなくなる ほか)
第2局 将棋の手はマイナスばかり
(敗者に逃げ場はない
 対局室という特別な空間
 OEDを作る情熱と同じ ほか)
第3局 紙一重を見切る方法
(柳瀬尚紀とは誰か
 ジョイス語と将棋
 将棋・人間・人工知能 ほか)


先を読む頭脳

先を読む頭脳 羽生善治&松原仁&伊藤毅志(新潮文庫)



 将棋は、科学的にいうと、

  「二人完全情報確定ゼロ和ゲーム」

 と定義される。

  二人    で行うゲームであり、
  完全情報  全ての手は明かされている
  確定    サイコロにような不確定要素を含まない
  ゼロ和   勝敗が明確

 すべての変化手順を探索し尽くしてしまえば、必勝法が存在することが
 証明されている。

 でも、ゲームの探索空間は・・

  三目並べ  10の3乗未満
  オセロ   10の60乗
  チェス   10の120乗
  将棋    10の220乗
  囲碁    10の360乗

 ディープ・ブルーは1秒間に2億手読み、3分間で14手先まで読めた。
 それでも、一局指すのに、数十年かかる。



 プロになるために必要なこと・・

  先天的なセンスや能力以上に、

  何時間も考え続けることができる能力、
  その努力を何年もの間、続けていくことができる力


 不利なときの思考・・

  形勢が不利になったときは、もう他力に頼らざるを得ない。

  一直線の切り合いになって終わってしまう手順は選ばないようにしている。
  何かまぎれる可能性のある手を探す。






<目次>
1 「先を読む頭脳」を育む
(将棋との出会い
 自分なりの学習法 ほか)
2 効果のあがる勉強法
(勉強法の変化
 序盤研究の重要性 ほか)
3 先を読むための思考法
(できるだけ可能性を残す
 動かさない方がいい駒 ほか)
4 勝利を導く発想
(相手の観察
 相手によって指し手は変えない? ほか)
5 ゲームとしての将棋とコンピュータ
(先後の価値
 将棋と男女差 ほか)


棋士の魂

棋士の魂~将棋インタビュー傑作選 (宝島社文庫)

別冊宝島編集部 編



 別冊宝島『将棋王手飛車読本』『将棋これも一局読本』からの
 インタビュー記事を抜粋したもの。



 羽生善治・・

 「遊び心」は大切。でも、「遊び心」の中に、「遊び」が入ってはいけない。

 「遊び」は「甘さ」のこと。「甘さ」の入らない「遊び心」がいい。


 中原誠・・

  将棋はなだらかに強くなっていくものではない。
  階段みたいに一段昇って、停滞して、また強くなっていく。

 「大山先生は予知能力がすごいんですよ。
  相手が攻めてくるなってところを先回り先回りで受けますから、
  攻めて行ったときにはもう対策がしてある。」


 屋敷伸之・・

  「練習が仕事で、本番は集金という言葉がありますが、
   それはある意味ではプロの真理だと思いますね」



 
<目次>
将棋の神に最も近い男 羽生善治四冠王おおいに語る
プロフェッショナル・インタビュー
(谷川浩司竜王、名人(当時)
 中原誠永世十段
 佐藤康光名人(当時)
 藤井猛竜王(当時)
 屋敷伸之棋聖(当時)
 三浦弘行六段(当時)
 長沢千和子女流三段(当時))
スペシャル・トーク(矢内理絵子女流三段(当時)VS碓井涼子女流二段(当時))
新しい時代の幕開け(渡辺明竜王もおおいに語る(平成十七年七月))

将棋脳

将棋脳

価格:1,365円(税込、送料別)



中原誠「将棋脳―これであなたの脳はよみがえる」

サンマーク出版

2006年刊

 
 自然流の中原誠・・


 将棋脳・・というものがあるわけではないが、
 将棋を通して、脳の司令塔である前頭前野を鍛えることができる。
 前頭前野を素晴らしく反応させるための集中力を高めることができるようになる。

 将棋が培う能力・・

  忍耐力・・不利になっても切れない。どこまでも勝負をあきらめずに粘る。


  判断力・・いかに先を読めるかよりも、大局観に基づいた形勢判断の方が大切

   無駄な手は深く考えず、有効な一手を決める。

   どの手を捨てるか。これこそが勝負勘である。


 将棋に勝ちパターンなし。

  守りに入ったとき、勝機は逃げていく。
  守りたいという気持ちを意識して払拭し、果敢に攻める。
  これが勝負の鉄則である。




<目次>
第1章 「将棋脳」とは何か
(将棋は脳を先を読むために使う
「将棋」とは自分を振り返り、冷静に失敗を認めること ほか)
第2章 勝負勘で培われる将棋脳
(「勝負勘」を鍛えるのには切り捨てる判断が大切
「ひらめき」とは、総合的な能力 ほか)
第3章 将棋の駒は、マネジメントに役立つ
(将棋のおもしろさ(1)「成る」という可能性のすばらしさ
将棋のおもしろさ(2)「持ち駒を打つ」という復活の行為 ほか)
第4章 将棋脳をいかに鍛えるか
(「将棋脳」はだれでも鍛えることができる
棋譜を使えば、名人戦を擬似体験できる ほか)
第5章 将棋脳の達人たち
(勝負師、大山十五世名人の“盤外作戦”
劣勢から勝機へ―大山先生との対戦 ほか)

勝負師

勝負師

価格:1,260円(税込、送料別)



内藤國雄&米長邦雄「勝負師」(朝日選書)

朝日新聞社

2004年刊


 運を呼び込むための必要条件・・

 「謙虚さ」と「笑い」


 田中角栄曰く、
 
 「人生は、妬む側に立ったときに終わる」


 詰将棋の名作・・

 「ベン・ハー」
  
  盤上、玉が斜めに動くのがゴルゴダの丘に向かうキリスト、
  槍(香)を斜めに打って、竜(竜王)で追いかけるというのが戦車競走

 「実戦初型」・・「敵陣初型」「自陣初型」

 眺めているだけでも、楽しいですね~ޥ



 大山名人の強さ・・

 「相手が最も嫌がる手を見つける能力にあった。
  次の一手を選ぶときに、最善かどうかではなく、相手が嫌がるかどうかで
  決める。」

 大山名人曰く、

 「我慢しっぱなしで終わるということも悔しいね」

  ・・最晩年、受け将棋から、攻め将棋に変わった。
 




<目次>
1 ふたりのクニオ
2 師匠として、弟子として
3 愛すべき棋士たち
4 棋界あれこれ
5 同じ空気を持つ者たち
6 勝負師の引退


二次請けマネージャの教科書

松本哲也「二次請けマネージャの教科書」(技評SE選書)

技術評論社

2010年刊

 一次請企業のマネージャ・・営業的、調整系

 二次請企業のマネージャ・・開発者、開発系


 二次請企業に期待されること

  (1)技術力 ・・ 専門的な技術を持っている
         ・・ ニーズを的確に判断し、技術を駆使した提案ができる
         ・・ 品質の高いシステムを開発することができる
  (2)低コスト
  (3)有名なプロダクト、施設を持つ

 二次請企業のマネージャに期待されること

  ○ 「システム開発の技術」
  × 「指示に従う」、「言うことを聞く」、「言いなり」
    ⇒ (1)危ないところはどこか
      (2)このまま進んではまずいのでは
      (3)こうしてくれないとできない



 プロジェクトマネージャの悪い行為・・

 1.プロジェクトメンバーを信頼していない

 2.指摘ばかりするが、明確な答えを言わない(言えない)
 
 3.メンバーの愚痴を聞かない

 4.メンバーを焦らせる

 5.協力会社に対して偉そう

 6.顧客に対して弱い

 7.顧客への体裁ばかり気にする

  「単体テストが終わっていないにも関わらず、結合試験を先に行ってほしいなど」
   の要望は断ること

 8.失敗をメンバーのせいにする

 9.誤ったメンバーの選任

 10.管理を楽にするためにメンバーに負担をかける



 「プロジェクトマネージャは、目の前の作業を進めるのに必死になるよりも、

  この課題管理を確実に行っておくほうがプロジェクトを大きなトラブルから

  守れることを理解しておく必要があります。」




<目次>
第1章 二次請け企業に求められるもの
第2章 好まれる二次請け、嫌がられる二次請け
第3章 プロジェクト管理の考え方
第4章 必要なノウハウ
第5章 一次請け企業とは
第6章 一次請け企業の強みと弱み
第7章 考えるべきこと


ハチの子リサちゃん

伊藤理佐「ハチの子リサちゃん」(双葉文庫)


 長野出身の伊藤さんの体験・・

「命がけの学校」


 ある日、学校の先生にこういわれます。

 「あしたから20Kgの米をしょって登校しなさい」


 理由は、一泊二日の登山・・のため、でした



 中学生の時の摩耶山への遠足を思い出しました。
 あの時以来、神戸にいながらその後一度も六甲山に登らなかった、
 ということを再認識したのでした(>_<)
 
 人間?!、トラウマを克服するには、
 数十年の月日が必要なのかもしれませんね~



<目次>
山のごちそう
飛んでくるごちそう
山の初恋
真冬の校庭
作文の秘密
きのこの山
山の転校生
山の飼い犬
命がけの学校
性の目覚め〔ほか〕

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