《荒地出版社》J・D・サリンジャー 原田敬一訳ハプワース16 一九二四 【中古】afb

サリンジャー「ハプワース16、一九二四」サリンジャー選集 (別巻)

訳 原田敬一

荒地出版社

1978年刊


 グラース・サーガ、最後の作品。

 
 1948年、31歳で亡くなったとされるシーモア・・

 弟のバディと一緒に参加した1924年のキャンプ先、ハプワースで
 両親・弟妹に残した手紙です。

 ・・当然ながら、シーモアはこの時、7歳という設定・・ちょっとあんまり(+_+)

 でも、サリンジャー自身の言葉だと思うと、自然に受け止められます。


 ペーパーバックは手に入れられないのですが、こちらに原文があります。
 Hapworth 16, 1924




≪ぼくは、人間の言葉が今のままの有様なら、それにたいする望みを限りなく
 最後まで持ち続ける気持は本当はないのだということを、
 この不安な顔に腹立たしく涙しながら認めよう。≫

but I admit, with maddening tears coursing down my unstable face,
that I do not in my heart hold out unlimited hope for the human tongue as we know it today.



≪・・自分のこれまでの人生を考えて、自分が75パーセントから80パーセント
 は実にくだらない若者だと知るのは悲しいことだし、しんどいことだ。≫

It will pass in a trice, I don???t doubt, but it is saddening and exhausting to realize
in unguarded interludes what a young bore I am,
seventy-five to eighty per cent of my life so far.




 妹のブー・ブーへのアドバイス・・

≪それからぼくの親愛なる、いとしくも忘れがたきビアトリス・グラス嬢よ、
 と君を素敵なレディの名前で呼ぶから人前だけじゃなくてひとりのときも
 お行儀やエチケットはちゃんと守るようにもっと気をつけておくれ。
 ぼくは君が人前でお行儀よくするかどうかより、誰もいない部屋でひとりっきり
 のときにお行儀よくするかどうかということのほうがうんと気になるんだ。≫

Also, my dear, darling, unforgettable Miss Beatrice Glass,
please work harder on your manners and etiquette in private as well as in public.
I am far less concerned about how you behave in public than how you behave
when you are absolutely alone in a solitary room;
when you accidentally look deep into a lonely mirror,
let a girl with stunning tact, as well as flashing, black eyes, reflect!





With 50,000 additional kisses from the two looming pests of Bungalow 7 who love you,


スポンサーサイト

【送料無料】RAISE HIGH THE ROOF BEAM,CARPENTERS(A)

J.D. Salinger - Raise High the Roof Beam, Carpenters




 『シーモア 序章』はまだ読めていませんが、時間がかかりそうなので、
 先にアップします。



 『大工よ、屋根の梁を高く上げよ』・・

 シーモアの結婚式の日の様子を、次兄のバディ・グラースの目から描く。

 ところで、この結婚式、新郎のシーモア不在のまま、終始します。

 ・・今週の『カーネーション』は新婦不在で披露宴が始まりましたが、
 理由はだいぶ違います。

 その理由は、読んでのお楽しみ?!・・にしておきます。



 かつて兄弟姉妹が出演した『It's a Wise Child』・・

 シーモアにとっては決して居心地のよいものではなかったようです。

He went down to the broadcast every Wednesday night as though
he were going to his own funeral.



 記憶に残るのは、冒頭の生後10か月のフラニーに、17歳のシーモアが
 聞かせた道教の説話なるもの。

He sees what he wants to see, and not what he does not want to see.
He looks at the things he ought to look at, and neglects those
that need not be looked at.
 
 「本当に大切なものは目に見えない」ではないですが、
 本当に大切なものを見抜く目を持った達人こそ、
 グラース家の子供たちが目指すべき姿だったのかもしれません。
 


【送料無料】死ぬ気まんまん

佐野洋子「死ぬ気まんまん」

光文社

2011年刊



 昨年亡くなった佐野洋子さんの遺作。


 傑作なのは、佐野家の訓示・・

 夕飯時、父はこういった。
 
 「命と金は惜しむな」

 ・・その言葉通り、父親は命を惜しまず早死にし、
 母親は大変だった。
 惜しむ金もないまま死んだ父も、、残された母も大変だった。

 もう一つの訓示は、

 「一番大事なものは金で買えない」

 ・・佐野さんにとってそれは「情」だったかも、と。ڤ









<目次>
エッセー 死ぬ気まんまん
対談 佐野洋子×平井達夫(築地神経科クリニック理事長)
知らなかった―黄金の谷のホスピスで考えたこと
「旅先」の人―佐野洋子の思い出(関川夏央)


【送料無料】山本五十六の乾坤一擲

鳥居民「山本五十六の乾坤一擲」

文藝春秋

2010年刊




 昭和十六年十一月三十日・・・に起こったこと。



 対米戦争を絶対にすまいとして、最後のぎりぎりまで努力をした
 人物がいたこと
 そして、そのことを墓場まで持って行った人々がいた。

 ・・高松宮、保科善四郎、大井篤、加瀬俊一・英明、野村実




 アメリカとの戦争を回避しようとする願い、その試みを
 すべて握り潰した人物・・

 それは、内大臣の木戸幸一・・だった。



 残念ながら、木戸幸一の高い壁の前に、
 「山本五十六の乾坤一擲」
 はならなかった。


 ひどかったのは、戦後、この木戸の言葉・・
 
 「戦さをするんだから、はじめから負けると思ってやったわけではない。
  しかし、勝てるとは思っていないナ。
  国の体面を保ってネゴティエイテッィド・ピースができればいいということだね」

 って!



 アメリカ相手に戦争しかけて、なりふりかまわずではなく、
 「体面を保って」講和ができると思っていたなんて・・唖然Ӥä







<目次>
第1章 活字に残されている昭和十六年十一月三十日
第2章 永野修身、高松宮、対ソ戦を阻止しようとして
第3章 高松宮、九月六日の「御前会議の不徹底につきてお話した」
第4章 山本五十六、対米戦を回避しようとして
第5章 高松宮、三十四年後に秘密に触れる
第6章 山本五十六の十一月
第7章 その日、十一月三十日
第8章 なぜ、木戸幸一は戦争を選んだか
第9章 その日の真実を明かすまいとした人びと


FRANNY AND ZOOEY(A)[洋書]

J.D.Salinger - Franny and Zooey




 グラース家の末っ子のフラニーと、その上の兄ゾーイー・・

 二人とも、長兄シーモアの影響を強く受けています。



Franny・・

 土曜日の夜、フラニーの苛立ち・・

I used to hate myself so, when I was in a play, to be backstage after the play was over.


anybody I respected - my brothers, for example - came and heard me deliver
some of the lines I had to say.


All I know is I'm losing my mind, I'm just sick of ego, ego, ego.


 おかげで、週末一緒に過ごすはずだった、レーンとは別れて、
 一人鬱々とした週末を過ごす。
 


Zooey・・

 鬱々しているフラニーに対して、ゾーイーが励ますのですが、

 その前に、落ち込んでいる妹と話をしなさいという母親と
 ゾーイーのバトルがあります。
 
 その後、満を持して、ゾーイーとフラニーの対決?!です。


'Franny, Frances. Let's go, buddy. Let's not fritter away
the best part of the day here ... Let's go buddy.'


 起こされた途端、説教をされたフラニー・・

 「シーモアに会いたい」といったり、簡単に納得しませんでした。


 その後、遠く離れたゾーイーから電話が入ります。

 シーモアの思い出として、かつてラジオ番組の出演の際に、
 「なぜ靴を磨く必要があるのか?」と疑問に思ったことに対して、
 シーモアが、どこかでこのラジオ聞いている太っちょのおばさんのために
 靴を磨くんだ、いったといいます。

 いまにして思えば、この太っちょのおばさんは、ぼくらにとってのキリストだった
 んだ、と。

There isn't anyone out there who isn't Seymour's Fat Lady.

Ah, buddy. Ah, buddy. It's Christ himself. Christ Himself.


 この「太っちょのおばさん」の話を、フラニーも思い出し、
 とっても救われたのでした。


 ・・残念ながら、サリンジャー自身は、まだまだ腹に落ちていなかったのかもしれません。  

モダン・アート・アメリカン

 先日のゴヤ展が良かったので、もう少し他の絵もみたい、と思って、

 六本木の国立新美術館でやっている「モダン・アート・アメリカン」へ・・



 19世紀後半から20世紀前半のアメリカ絵画・・

 印象に残るのは、意外にも、アメリカの自然を描いた作品。
 
 シンプルで力強く、武骨なのが、なんとも良かったです。 

 
 ロックウェル・ケント『ロード・ローラー』

 ミルトン・エイヴリー『黒い海』





 ジョージア・オキーフ曰く、

 「リアリズムほどリアルでないものはない」


 『赤い太陽』のアーサー・G.ダヴ曰く、

  抽象とは自然からの抽出物である。




 残念ながら、絵ハガキコーナーには、
 欲しかった自然を描いた作品や抽象画はありませんでした(>_<)
 



 コーヒー・ブレイク・・

国立新美術館
 


【送料無料】復興の精神

復興の精神 (新潮新書)

2011年6月刊





 震災が「第二の戦後」だったかどうかはともかく、

 養老さんの語る、災時の際の心得に共感します。


 それは、周りがうるさくなってくると静かにすること。

 その理由は、
≪戦争で懲りているのです。
 ああいうときは、「こうしろ」「ああしろ」「言ってはいけない
 「やってはいけない」という奴が必ず出てくる。≫

 ・・いちびらず、ひたすら倦まず弛まず・・でしょうか。
 でも、これがなかなかできないのですね~(>_<)



≪・・仕事は世の中が成り立つためにあるのです。
 仕事を成り立たせるために、世の中があるのではありません。≫




≪私はいつも、人生は「答え」だと言うようにしています。

 多くの人は逆に考えています。
 人生は「問い」ではないので、若いうちは特に勘違いをしている。
 だから「人生とは何か」「生きるとは何か」と考えるのです。≫




<目次>
はじめに
養老孟司 精神の復興需要が起きる
茂木健一郎 変化への希望
山内昌之 公欲のために私欲を捨てよう----「災後」の歴史認識
南 直哉 無力者の視座
大井 玄 プロメテウスのように
橋本 治 無用な不安はお捨てなさい
瀬戸内寂聴 どん底は続かない
曽野綾子 「いきているといいね」
阿川弘之 「大丈夫、必ず復興しますよ」



ゴヤ展

ゴヤ展

 上野の国立西洋美術館でやっているゴヤ展へ・・


ゴヤ展

 前回、国立西洋美術館に来たのは、ルーブル美術館展だったので、
 あっという間の2年でした。

 今回は、来年の1月29日までと期間があるので、入場までの待ち時間は
 ありません。でも、中は、予想通り混んでいました。

 プラド美術館からの今回の目玉は、「着衣のマハ」でした。

 音声ガイドと一緒に、巡ったので、耳と目で楽しめました。
 
 残念ながら、油彩は少なく、展示の大半が、素描でした。

 でも、「ロス・カプリーチョス」や「戦争の悲惨」等の版画をじっくり見る機会を
 持てました。(即売コーナーに、版画集があり、すべての作品を見ることもできます)

 ゴヤは、43歳で、スペイン王室の宮廷画家になり、
 得意の絶頂の最中の46歳、病気で聴覚を失います。
 しかし、名作の多くはその後に描かれます。


 音声ガイドの最後に、印象的なゴヤの言葉が紹介されていました。

 「絵画にはいかなる規範も存在しない」


国立西洋美術館



 モノ食う人々・・

 豊洲に移動して、「関門海」の株主優待券を利用して、
 「バルデゲ」さんで、スペイン料理を食べました。

バルデゲ


ららぽーと豊洲


【エントリーで10/27(木)10:00~11/15(火)23:59までポイント10倍以上】【中古】洋画 レンタルアップDVD エリザベスタウン【10P11Nov11】【画】



 映画館で見て以来の作品。DVDで見直したのですが、 

 主役のオーランド・ブルーム目当てで見る人が多いと思いますが、
 最後の母親役のスーザン・サランドンの名演説ならぬ迷演説が実にいいですね。
 何度も繰り返し見直してしまいます。


Elizabethtown Script - Dialogue Transcriptに、
スクリプトが紹介されていたので、一部ご紹介すると・・


長年連れ添った夫が亡くなった後、タップダンスやトイレの修理などいろんなことにチャレンジした。
もう一つ、「笑うこと」も学びたかった。
で、最年長者として、コメディー・スクールに入った。

And I wanted to learn to laugh.


Why couldn't I be funnier
when Mitch was alive?


But you know, I figured it out.
It takes time to be funny...


and it takes time to extract joy from life.



So I enrolled in comedy school.

Yeah, I did. I know, I know.

I was the oldest one in the class.
Thank you.



And we were told to tell a story.



Something true,
something that really happened to us.


・・で、この後の下ネタは、映画でお楽しみください(^^ゞ





【送料無料】全身翻訳家

鴻巣友季子「全身翻訳家」(ちくま文庫)






≪本が、わたしの小さな砦だった。
 
 幼い頃からひどく引っ込み思案で、自分から友だちの輪に入っていけるような子
 ではなかった。世界とつきあっていくのは恐ろしく気の重いこと≫・・だった。


 でも、翻訳という天職に巡りあった。





≪以前、自分が翻訳に費やした時間を計算してみたら、六万時間ほどになった。
 六万時間、他人として生きてきたのかと思うと、おかしくなった。
 
 「きみはこれまでどんな仕事をしてきた?」

 「三十年間、翻訳をやってきたよ」

 「なるほど、三十年間、何もしてこなかったということだな」

 たしか、ルネサンスの哲人たちのこんな会話があった。
 わたしも「わたし」としては、ほとんど何もしてこなかったわけだ。≫


 と思ったりしつつも、
 また、翻訳は大変、大変といいつつ、
 こんなに楽しいことはない、という雰囲気が伝わってきます。







 単純力・・

≪・・若い頃の単純力というのはすばらしい。

 わたしの読書歴など知れたものだが、唯一幸せだったのは、
 子どもの自分から大学ぐらいまでの、要は余計な知恵がつく前に、
 古典といわれるものを結構読んでおけたことだ。
 ナイーブな心が覚えた情感というのは、頭がすれてしまった後でも残る。

 そして読んだ本を思いだすたびに、その時の心持ちへと立ち返ることができるのである。≫


 ・・若くして求むれば、老いて豊かなり、ですね!








<目次>
1 言葉が気になる
(顔見知りfriend&acquaintance
ムズムズする訳mechanism&apparatus ほか)
2 胃袋を満たしてから
(臨月のシフォンケーキ
大蛸で世界をめぐる ほか)
3 足腰を鍛える
(翻訳家への長い長い序走
フラヌーズになりそこねた夜 ほか)
4 道草を食う
(イパネマの娘
猫を借りる ほか)
5 さあ仕事をしよう
(翻訳者気質
翻訳の魔宮へ ほか)

PAGETOP