武家の女性
山川菊栄「武家の女性」(岩波文庫)
安政4年に水戸藩の下級武士に生まれ、武家の娘として育った母・千世
からの聞き書き
≪家にいても、人に会う時、袴と脇差はつけているのが武士の作法でした。≫
当時の教育・・
『百人一首』『女今川』『女大学』『女庭訓』『女孝経』・・を一冊にまとめた『和論語』
『孝経』『大学』『論語』『新古今集』等
嫁入り前に・・
父親から懐剣を手渡される。
・・自信と気魄を持つことができた。
≪厄介なのはおはぐろでした。
年は若くても、嫁入りすれば眉をおとし、おはぐろをつけるのでした。≫
≪良家の婦人が外へ出るのは盆暮に実家への挨拶、親戚の吉凶、親の命日の墓参り、
神社の参詣ぐらいのもので、ほかにはまず出ませんでした。
女の一人歩きは、主人の顔にかかわる、はしたないこととされていた時代のことで、
出るとなれば伴れか、お供がなければなりません。≫
≪音楽はいっさい禁止でしたから、明治まで、琴も三味線も聞かれませんでした。≫
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